2013 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な郊外住宅地居住のための地域居住様式の構築に関する研究
Project/Area Number |
24500931
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
中村 久美 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学部, 教授 (80240860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 直哉 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 教授 (00350968)
田中 みさ子 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (30340615)
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Keywords | 郊外住宅地 / 住み方 / 生活態度 / 住民参加 / まちづくり / 持続可能性 |
Research Abstract |
平成24年5月および7月に実施した、宇治市の郊外住宅地を対象とした調査(2地区合わせて世帯票346、個人票(18歳以上)473の有効票を得た)の調査研究成果を家政学会、および建築学会大会でそれぞれ研究発表した。発表内容は以下のとおり。調査結果 :総じて居住地生活の諸側面に関与しつつ暮らす住民が多い。住生活態度14項目に対する回答個数をみたときに、一切持ち合わせないとする住民は1.7%とごくわずかである。逆に14項目中10項目以上をあげる割合は18.0%(n=85)存在する。生活時間の類型別にみると、地域生活の時間が多い場合のほうが各項目に対して肯定的な割合は高いが、地域生活時間が長ければ長いほど意識は高くなるということはなく、地域外での生活に比重を置く場合にも、生活態度や意識のレベルでは、地域との関わりをもとうとする住民は少なくない。住生活態度14項目中の回答個数を年齢別にみると、10個以上を回答する割合は、前期高齢者で2.5割、後期高齢者でも2割に及ぶ。地域居住に関わる18事項について、住民にもその役割の一端を位置付けていくことを考えてよいと思うものを回答させたところ、いずれも住民を取組主体者とするべきでないという割合は2.0%(n=9)にすぎない。ハード環境の整備や防災、防犯などについては、総じて住民の主体意識が強いといえる。高齢者や子ども、子育て世帯への支援的取組についても、住民自ら関わることに前向きな住民が一定数存在することが明らかになった。 さらに同様に地域居住に関わる生活態度や地域役割意識等をみるとともに、まちづくりに必要な都市計画に関わる基礎知識や関心の態度を明らかにする調査を、宝塚市2地区および京都市内左京区、北区の2地区で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、①これら地域居住様式の重要性への理解と、本様式を身体化した居住者の養成のために重要となる住教育のあり方を検討すること、②本地域居住様式を基底にすえた地域の居住システムの創成につなげていくことを目指す。その基礎的研究として、①、②につなげる課題を抽出することを意図して、現時点での地域居住の実態と居住者のそれへの価値意識や態度を明らかにすることを目的とした住み方調査を、予定通りに実施、その結果を公表するとともに、その調査から生まれた新たな研究視点を盛り込んだ調査をさらに実施、その結果の公表の準備を現在行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
先の2つの調査結果より、住民の生活態度や役割意識を変化、醸成させる事柄として、地域住民共通の目標の設定が1つのかぎになると考え、新たに「緑地協定」を結び、住民が共通の目的意識をもって生活する郊外住宅地を対象に、住民の生活態度や役割意識の動向を明らかにする調査を実施。それらを総合して本研究の結論を導きたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査対象地が近郊の住宅地としたため、交通費やアルバイト料など、調査に関わる経費が少なくて済んだこと、研究分担者の使用が少なかったなどが考えられる。 今年度の調査で使用する予定である。また最終的に研究報告書の作成などを考えている
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Research Products
(2 results)