2015 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な郊外住宅地居住のための地域居住様式の構築に関する研究
Project/Area Number |
24500931
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
中村 久美 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学部, 教授 (80240860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 直哉 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 教授 (00350968)
田中 みさ子 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (30340615)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 住生活 / 郊外住宅地 / 生活管理 / 住民参加 / まちづくり計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発後40年以上を経て高齢化や景観を損なう住宅の改変などの諸問題が顕在化するに及んで、住民主体のまちづくり計画を策定した地域を対象に、“地域に関わって住む”住み方を検証した。本住宅地の住民の地域組織や地域活動への参加意識は相対的に高く、6割近い住民が地域の活動に関わりたいとの意識を有していた。それを裏付けるように、地域参画意欲の形成に大きく関わる“地域に関わって住む”住み方、すなわち地域に住む上での生活態度や地域役割意識、地域への帰属性を意味する地域への愛着や居住継続希望などへの意識はいずれも高い。“地域に関わって住む”住み方が定着、浸透していることを確認した。 その“地域に関わって住む”住み方を定着させるかぎとなるものとして、本住宅地の開発にあたり、開発企業と個々の住民との間で交わされた契約時の特約の存在に着目した。本調査では、居住開始時点で本特約事項を評価していた住民ほど、地域に住む上での生活態度や地域役割意識は高いことが明らかになった。住宅地内に建設する建物の用途や高さ、塀や植栽のしつらえなどに一定の制限を課した本特約が意図するものの価値の認識が、個々の住民の日常の住生活の基盤となり、その共有が、まちづくり協議会の組織化とそれを中心にした計画策定作業の原動力になったと考えらえる。 将来にわたる良好な住宅地環境の維持には、この価値の継承が重要となる。そういう意味では、開発当初から受け継がれてきた本特約事項が、最近の10年では認識されている割合が低下していたのは懸念されるところであるが、今後はこのまちづくり計画こそが、住民自ら創出した新たな価値として継承されることが期待される。
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Research Products
(3 results)