2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500936
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Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
濱田 信夫 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 外来研究員 (40270764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 仁一郎 大阪市立環境科学研究所, その他部局等, 研究員 (10321936)
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Keywords | 好湿性カビ / 界面活性剤 / 石灰岩 / アルカリ性 / Scolecobasidium |
Research Abstract |
浴室では,野外の浮遊菌などと異なったユニークなカビが多く見られる.これらのカビは,石鹸成分のみならず,洗剤の界面活性を栄養にすることができる.Scolecobasidiumなどのカビは,高濃度の非イオン界面活性剤だけを添加した寒天培地で生育することができる.これまでに,野外の株の中に浴室で生育するカビと栄養特性の類似したものはあること,日本とヨーロッパの浴室のカビは遺伝子的にも生理的特徴についても類似したものが見つかったことを明らかにした.浴室のカビのルーツを探るため,浴室から採取された種と類似のカビの菌相を求めて,様々な野外の環境由来のScolecobasidiumについて調査を行った.本プロジェクトは、浴室で多く検出されるS. humicolaがアルカリ性培地でよく生育することに着目した.そして、伊吹山、秋吉台、三重県藤原岳など、いくつかの石灰岩帯の土壌から、Scolecobasidium属のカビの分離を試みた.一般の森林帯の土壌とは異なって、石灰岩帯の土壌から多くの種類のScolecobasidium属のカビが検出された.即ち、S. constricta, S. excentricum, S. tshamytschae, S. verruculosumなどであった.それらの株のいくつかは、pH9.7培地でもよく生育し、また,高濃度の非イオン界面活性剤だけを添加した寒天培地でも生育した.それらの株と、S. humicola の生理的特性を比較した.その結果、浴室の株は、熱耐性が野外のものより強いことと、より高濃度の非イオン界面活性剤を利用できる能力のあることが分かった。これは、野外に生育していたScolecobasidium属のカビの中で、どのような形質を持った株が、浴室という新しい環境に侵入し、優占するようになったかを解明することを試みている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
浴室に優占しているScolecobasidium humicolaを、野外に生育している数種のScolecobasidiumと比較を行った.その前提となる株の採集が非常に順調に進んだ.とりわけ,野外の石灰岩帯の地域では,Scolecobasidiumの株が非常に多く検出されることである.これは、一般の山地でその土壌の採集を試みると,検出するのがいかに難しいかを知っている者にとっては大きな驚きでだった.それ以降,それらの採集された多くの株を使って生理的性質を明らかにする作業が進んでいるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験の結果,浴室由来の株と野外のものでは生理的な性質が異なっていることが分かった.浴室の場合は、野外の株と熱耐性の高いことが分かった.また、野外の株は界面活性剤利用性のあるものとないものがある.一方,浴室内の株はいずれも界面活性利用性が非常に高いことが分かっている.これらの結果が,世界各地から集めた株でも同様であるかを明らかにする予定である.そして,その結果をまず報文化することによって,カビにとっての室内環境の意味を明らかにしたい.これを明らかにすることは,室内のカビ汚染を防ぐことにも役立てられると考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用予定の消耗品の量がやや少なかったため. プロジェクトの遂行のため,有効に使用したい.
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Research Products
(7 results)