2012 Fiscal Year Research-status Report
茹で調理の環境負荷低減へむけたデンプン食品の水分移動に及ぼす流体挙動の解析
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24500939
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
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Principal Investigator |
福岡 美香 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (10240318)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昇 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (20134009)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | デンプン食品 / 茹で調理 / 水分移動 / 流体解析 |
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| Research Abstract |
麺類の茹で調理では、特に、茹で水と接触する麺表面において、主成分であるデンプンの糊化が先行するため水分保持能力が著しく上昇すると考えられるが、これを抑制するためには、糊化・分散した高分子断片が茹で水へと溶出する過程が必要であり、水の流れは重要な役割を果たすと予想される。本研究では、茹で水を含む調理空間（熱移動、鍋容器内の水の流れ）を考慮した麺の水分移動を予測するために、流量と加熱温度を制御できる流路システムを使用して、鍋内における流速相当の条件となるように管内流れを規定した流路内に麺を配置して調理実験を行った。円管試料部の平均流速、1.59，4.78，7.97cm/s、および流れを停止させた系で、茹で調理を行った。試料は、うどん(生麺，初期含水率32.2wet%)を使用した。この時の円管内の流れの状態、すなわち試料近傍の流速分布は、流体解析ソフトCFD2000によって検証した。茹で途上の麺をサンプリングし、重量乾燥法による平均含水率測定、MRI（磁気共鳴画像）法による試料内水分分布測定を行うことで吸水特性を調べ、さらに顕微鏡観察、膨潤率、固形分溶出率、デジタルマイクロスコープによる表面観察を行い、茹で進行に伴う試料の状態変化を評価した。平均含水率及び水分分布測定の結果より、茹で調理時の流速を変化させた場合、試料の平均含水率は同じであるが、内部の水分分布に違いが生じることが明らかになった。特に、流れを停止させた場合は、表面の含水率が著しく上昇し、内部の含水率が低いという結果が得られた。顕微鏡観察では、流速が大きくなる程、麺内のデンプン分散領域が少なくなるという結果が得られ、試料内部の水分分布と糊化分布及び分散分布には相関があることが示された。本成果は、国際会議（2012EFFoST Annual Meeting）で発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
流れの解析と茹で調理麺の評価方法の検討を行い、おおむね計画していたアプローチが妥当であることが確認できた。しかしながら、高分子の分散溶出量の特定のうち、分散については、顕微鏡法での観測は達成されたが、高速液体クロマトグラフィーでの実験において、24年度購入したカラムオーブンによって、温度可変が可能になったため、観測温度を変えて試みたが、定量化に成功していない。よって、25年度の検討課題として加えたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
24年度に達成されていない、高分子分散量の定量に向けて、分析手法の検討をあらたに行う必要がある。具体的には、分離カラムの変更があげられる。流れの状態を変化させるという点では、沸騰下でない温度帯での実験を試みる必要があり、その場合の流速分布の解析も必要となる。
本研究のポイントとなる水分移動の考え方は、デンプンを主成分とする麺類全般へ適用できるものと考えている。よって、うどん生麺以外の麺類、たとえば、スパゲティなども視野に入れて、実験を展開する予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
従来の各消耗品の他、流体解析ソフトの更新費用が必要となる。また、24年度と同様に、国際会議における発表と論文投稿にかかわるリライト料など、研究成果公開に関する費用を搬出する予定である。
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Research Products
(1 results)
