2014 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪摂取量低減を目的とした卵黄O/Wエマルションの加熱によるゲル形成機構の解明
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24500950
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
杉山 寿美 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (10300419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 留美 広島文教女子大学, 人間科学部, 講師 (20368773)
原田 良子 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 講師 (30626114)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 卵 / オムレツ / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳化特性を有する卵は油脂を配合しやすく,その加熱ゲルは特有のテクスチャーとなる。昨年度までに,乳脂肪クリームを配合したオムレツは脆弱な,菜種油を配合したオムレツはしなるような硬さ(軟らかさ)テクスチャーとなることを確認している。本年度はこれら特有のテクスチャーへの配合油脂の影響について,冷却遠心分離による脂質分画等によって検討した。オムレツは,卵液に,乳脂肪クリーム,菜種油,水のいずれかを加え,200℃で攪拌加熱して調製した。分析には,加熱前および加熱過程,加熱後の試料を用いた。試料をストレーナーに通した後,冷却遠心分離による脂質分画を行った。得られた3画分からBligh&Dyer法で脂質抽出を行い,脂肪量,リン脂質中リン量を測定した。また,SDS-PAGEは,Laemmliの方法で行った。冷却遠心分離による脂質分画の結果,卵黄脂肪は加熱前には中層に,その後は下層に多く分画され,乳脂肪クリームは加熱前後ともに上層に分画された。菜種油を配合したオムレツは,卵黄単独の場合と同様に,加熱後に,下層の脂肪量が多くなり,上層にも多く分画された。乳脂肪クリームを配合したオムレツは,加熱前においても下層の脂肪量が多く、加熱後も上層の脂肪量は少なかった。このことから,加熱により菜種油や乳脂肪クリームが卵たんぱく質に抱合され,乳脂肪クリームでその程度が大きいことが推察された。このことは,脂肪酸組成等の結果からも確認された。SDS-PAGEからは,乳脂肪クリームを配合したオムレツではオボアルブミンの加熱変性の程度が低いことが示唆された。
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Research Products
(2 results)