2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト血管内皮細胞の酸化障害に対する葉酸および葉酸含有食品の効果
Project/Area Number |
24500956
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
村上 恵 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (80340769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 葉酸 / 抗酸化性 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
葉酸はこれまで言われている働き(造血機能や神経細胞の生成)以外に、最近になって抗酸化性があることが報告されている。ガンや動脈硬化をはじめとする生活習慣病や老化の要因に、活性酸素による生体の酸化的傷害が深く関与していることが指摘されていることから、本年度はこの抗酸化性に着目した。これまでの報告では葉酸の抗酸化性は標品のみデータが示されており、食品中については見あたらない。葉酸標品はFA、THF、DHF、5-MTHFを、食品試料はほうれん草、アスパラガス、葉酸たまごを用いた。食品中の葉酸は加圧抽出法を用いた。抽出液には0.15%アスコルビン酸(AsA)、0.08%2-メルカプトエタノール(2-ME)含有HEPES/CHES緩衝液を用い、ラジカル捕捉活性はDPPH-吸光度法を、葉酸の定量には葉酸キットを用いた。その結果、葉酸標品のラジカル捕捉率は5-MTHF>THF>DHF>FAの順に高くなった。加圧抽出法で使用する緩衝液は抗酸化性を有することから、この研究ではまず食品中の葉酸抽出時には酸化を防ぎ、かつ、ラジカル捕捉率の測定には影響を及ぼさない緩衝液を見出した。この緩衝液を用いて葉酸を抽出し定量したところ、葉酸量はこれまでのデータとほぼ一致し、ラジカル捕捉率も緩衝液の抗酸化性に影響されずに測定ができた。ほうれん草、アスパラガスについては葉酸量とラジカル捕捉率に相関関係が認められ、食品中の葉酸が抗酸化性に寄与していることが示唆された。しかし葉酸たまごには相関が認められず、その一因に卵白アルブミンの抗酸化性が関与していることが明らかとなった。以上の結果より、食品中の葉酸を摂取することにより抗酸化性を発揮する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の計画では血管内皮細胞を使用した評価まで計画に入れていたが、その部分の評価のみが遅れている。血管内皮細胞の購入時期が遅かったことと、周辺準備に手間取ったことが主な要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の評価の部分が遅れているが、平成25年3月の段階で細胞、培養の準備、サンプルは調製済みであることから、順次評価を行う予定である。また今年度は細胞評価が主な研究課題になっていることから、重点的に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額1円に関しては、平成25年度と合わせて使用するが、平成25年度の使用計画に変更はない。
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Research Products
(1 results)