2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血管内皮細胞の酸化障害に対する葉酸および葉酸含有食品の効果
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24500956
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
村上 恵 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (80340769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 葉酸 / 抗酸化性 / 血栓溶解性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究により、食品中の葉酸の抗酸化性がin vitroの実験により明らかになったため、アスパラガスから抽出した葉酸を用いて、HuvecのH2O2障害に対する保護作用を検討した。生のアスパラガス、ゆでたアスパラガスのサンプル添加による生存率に違いは認められず、細胞に対する保護作用はみられなかった。昨年の研究ではわずかにアスパラガス中の葉酸に細胞保護効果が見られていたが、本年度は細胞生存率の値のバラつきが大きく大きかったことが要因と考えられた。 また本研究では、葉酸の血栓形成防止作用に着目し、アスパラガスの葉酸抽出液の血栓溶解作用をフィブリンプレートを用いて行った。生、ゆでサンプルの抽出液で血栓溶解性が見られ、生サンプルの方がゆでサンプルよりも5%の危険率で有意にu-PA当量は高い値を示した。血栓溶解性と葉酸量では両サンプルにおいて緩やかな正の相関が見られたことから、血栓溶解性には葉酸が関与している可能性が考えられる。そのため、葉酸標品であるFAや抗酸化力が強いと言われているTHFを添加し実験を行ったが、血栓溶解性は見られなかった。フィブリンの溶解には酵素であるプラスミンが関与している。そのためフィブリンを溶解するにはタンパク質が関与していると考えられるが、本実験ではプロテアーゼを用いてタンパク質を分解しており、かつ抽出過程に加熱があるため、タンパク質は変性または分解されていると考えられる。しかし、アスパラガスの葉酸抽出液はフィブリンプレートを溶解させたことから、どのような成分が関与しているのか検討する必要がある。
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