2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 徳男 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30192412)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エネルギー代謝 / 加齢 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームや加齢、2型糖尿病の原因とも言えるエネルギー代謝の調節はNAD依存性脱アセチル酵素サーチュイン(sirtuins)による制御を受け、その結果ヒストンタンパクの脱アセチル化により種々の代謝系や加齢に関係する様々な遺伝子発現が増減することにより担われていることが明らかにされている。また、サーチュインがWntシグナリングを誘導することから、サーチュインとWntシグナリングによる加齢やメタボリックシンドロームとの関連が研究の焦点となっている。本研究では精製Wntを用いて、種々の代謝系や加齢、寿命の制御におけるWntの役割を明らかにすることを目的としている。 Wntタンパクは脂肪酸により修飾されているために疎水性と凝集性が高く、界面活性剤なしに精製することは極めて難しい。さらに、血清中にも微量存在する事から、それを除外することも実験上重要である。そこで胎児血清から内在性Wntを除いた培地を調製し、発現細胞を培養し、その培養上清より、種々の安定化剤や添加剤を用いたクロマトグラフィーにより、Wnt3a, Wnt4とWnt5aを高度に精製することに成功した。精製Wntと培養細胞を用いて、β-カテニン発現などの効果を解析するとともに、精製過程で得られたWntと相互作用するタンパクや誘導されるタンパクも同定した。精製したWntの個体レベルでの影響を解析するために、精製Wnt3a,Wnt4,とWnt5aをメタボリックシンドロームと2型糖尿病のモデルマウスであるKKayマウスに投与し、グルコールや肥満、血中脂質への影響を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養に用いる牛胎児血清より内在性のWntタンパクを除去する方法を開発することにより、より純度の高いWntを調製することが可能になった。また、このWnt除去血清を用いた培地で培養することにより、Wntと共精製してくる相互作用するタンパクや発現が誘導されるタンパクの同定が容易になった。現在、これらのタンパクを質量分析を用いて解析している。さらに、従来Wntは分子量3万9千の単量体として精製されていたが、これ以外の分子種が複数存在することが明らかになった。これらの分子種の性質や機能、修飾形態については現在解析中である。 精製Wntを用いた2型糖尿病マウスや動脈硬化発症マウスなど加齢疾患マウスへの影響を解析することも可能になり、現在、精製Wntの質的、量的な改善も含めて、個体レベルへの影響を詳細に検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究計画の推進とともに、 1)コレステロール代謝と動脈硬化への影響を明らかにするために、精製WntをアポE欠損マウスに投与し、コレステロール代謝や動脈硬化進展に対する影響を解析する計画。すでに、リポポリサッカライドによるマクロファージの泡沫化にはGSK3βが関与することが明らかにされていて、Wnt3aの投与はGSK3βを抑制し、マクロファージの泡沫化をブロックする可能性が強く、これを明らかにする計画である。 2)Wnt4はすい臓のβ細胞に高発現しているが、その機能は不明で、精製Wnt4を用いて細胞と個体レベルでインスリン分泌に与える影響を解析することにより、β細胞機能とWnt4の関連を明らかにする計画である。 3)Wntシグナリングが骨密度を調節していることが遺伝子レベルで明らであるが、その作用メカニズムは全く不明で、これを精製Wntを用いて明らかにする計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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