2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料を用いた、塩味嗜好性の変容による定量的な減塩効果に関する研究
Project/Area Number |
24500970
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高地 リベカ 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60413085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 淳子 相模女子大学, 栄養科学部, 准教授 (30415509)
岩崎 基 独立行政法人国立がん研究センター, がん予防・検診研究センター, 部長 (60392338)
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 減塩 / 嗜好 / セルフモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
1)味噌汁の味付け自己回答と24時間尿中Na排泄量の関連について検討を進めた。国内5地域の対象者において、年間5回の24h-Na排泄量に加え、12日間秤量法によるNa摂取量を用いて、東京近郊在住者で得られた結果の外挿性を検討した。2012年11月に行ったアンケートによる味噌汁の味付けと2013年12月まで5回の24h-Naの結果を比較した。味付けが強くなるに従って有意に24h-Na排泄量、秤量法Na摂取量とも平均値は高くなった(性、年齢、体重、地域で調整)。加工食品の摂取頻度で調整しても結果は変わらなかったが、個別的な塩分摂取に関わる食行動(麺の汁のむ量、かけ醤油)で調整すると関連が消失した。汁物の味付けが、特に個別的な塩分摂取行動を介して塩分摂取を規定している可能性が示された。一方、「味付け」と味覚閾値との関連はみられなかった。 2)秤量法によるNa摂取量評価の標準化の手法と程度について明らかにした。モデル調査票を用いた聞取り技術において、調味料の確認漏れの地域差はなかった。モデル献立における塩分の推定値には、地域間で最大約2gの差があったが統計的に有意ではなかった。 3)汁物・煮物等の塩分濃度のセルフモニタリングによる減塩効果を明らかにするため、24h-Na排泄量を評価指標とした無作為割付臨床試験のパイロット研究(UMIN000012560)を実施し、完了した(2014年1月~8月、魚沼・新潟・村上在住の男女50名、12週間、クロスオーバー)。低塩調味料による介入と効果を比較した。前期の解析においては、低塩調味料による介入よりも、モニタリングによる介入効果が大きく統計的に有意であった。後期も含めた解析では関連が薄まった。味覚閾値にはどちらの介入でも変化は見られなかった。得られた基礎統計量から、解析の脱落も考慮すると130名が必要なサンプルサイズと判明した。
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