2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500984
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
田村 朝子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60240991)
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Keywords | 真空調理 / 新調理システム / 咀嚼・嚥下機能 |
Research Abstract |
咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者が災害時にも十分に栄養摂取ができるようにするための食品を真空調理法を活用して開発することを目的に研究を行う。平成25年度は、平成24年度に依頼、回収中であった①医療機関や福祉施設における災害時用非常食・備蓄食についての実態調査、②施設入所高齢者の食事形態別摂食状況調査、および③真空調理法と通常調理法で作成した提供給食のおいしさと消化性の比較、について検討した。 ①医療機関等の災害時用非常食・備蓄食の実態調査:新潟県の地域防災計画に基づき、災害時の危機管理体制を整えている施設が98.5%あり、非常食・備蓄食は98%の施設が用意しており、その量は3日分が最も多くなっていた。ライフライン等の復旧に時間がかかることを想定し、熱源を確保し、最小限の熱量と調理で食べられるものを、1食ごとに栄養が不足しないように主食・主菜・副菜の組合せで備蓄する傾向があった。しかし、高齢者や疾患に対応した食糧備蓄は十分でないことも明らかになった。 ②高齢者の食事形態別摂食状況調査:摂食・嚥下訓練食を喫食する高齢者を、提供されている食事形態で4群に分け、身体状況、認知機能、口腔状況、舌圧の調査結果と提供されている食事の物性値との関連を解析した。その結果、身体状況等については4群間で有意差は認められなかったが、咀嚼・嚥下機能レベルが高くなる程、舌圧が高くなる傾向にあった。食事物性値は、咀嚼・嚥下機能レベルが高くなる程、有意に固く、付着性が大きく、凝集性が低くなった。また、身体状況のうち舌圧と物性値に正相関がみられ、高齢者の咀嚼・嚥下機能の判定に舌圧が新たな指標となりうることが示唆された。現在、対象高齢者の人数を増やし、さらに詳細に検討中である。 ③真空調理法等で作成した提供給食の比較:加熱条件に低温スチーミング法を加え、現在も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度の平成24年度に、研究協力を依頼した医療機関や福祉施設の選定および倫理審査に時間を要し、開始が遅れた。研究で扱う内容が、協力施設で提供されている給食、入所高齢者の身体状況等であったことから、平成24年度に完了する事項が終わらず、平成25年度にずれこみ、平成25年度の内容も次年度にずれ込むものが出てきていることから、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、まず平成25年度に完了していない事項を引き続き実施し、なるべく早い時期に完了させる。さらに、真空調理で作成した料理を介護食へ展開できるようにするため、食事形態(常食、刻み食、ミキサー食、流動食等)ごとに調理方法、レシピを検討作成するとともに、物性、消化性、保存性、食味等についても検討する。そして、最後には、それを報告書にまとめ、協力くださった施設等で活用できるよう提出する。
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Research Products
(6 results)