2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500984
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
田村 朝子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60240991)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 真空調理 / 嚥下調整食 / 嚥下障害度 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者が災害時にも摂取ができる食品を真空調理法を活用して開発することを目的に研究を行った。平成26年度は、平成24年度から継続して検討してきた課題、①高齢者施設で提供されている嚥下調整食の名称とかたさ、嚥下障害度の調査、②嚥下調整食のテクスチャーと嚥下機能評価および栄養評価指標との相関解析、③真空調理法と通常調理法で作成した提供給食のおいしさと消化性の比較、についてまとめ、災害時への応用活用について考察した。 ①高齢者施設の嚥下調整食の名称とかたさは、形態6区分のいずれにおいても施設独自に名称をつけ、かたさを調整しており、統一性がみられなかった。嚥下障害度診断は「改訂水飲みテスト」が最も多く用いられ、言語聴覚士が最も多かった。嚥下障害度に応じて患者に提供する嚥下調整食を決定している施設は少なく、83%の施設が患者に応じてその都度決定していることが明らかになった。 ②嚥下調整食のテクスチャーは、患者の嚥下機能レベルが高くなる程、有意に固く付着性が大きく、凝集性が小さくなった。嚥下機能レベルが高くなる程、認知機能、舌圧が有意に高く、口腔の衛生状態が良好で咬合を有する割合が多くなった。舌圧とテクスチャーおよび認知機能に相関が得られ、舌圧を嚥下機能指標にできることが示唆された。 ③真空包装した豚肉を低温(60度)で加熱すると、通常加熱および真空高温加熱(90度・30分)豚肉に比較して、加熱時間が長くなる程有意に破断強度が低く、胃液への溶出アミノ酸量が有意に高くなり、75kDa付近に新たなバンドが確認された。加熱時間5hr以降13時間で豚肉が軟らかく消化しやすい状態に変化することがわかった。 上記から、舌圧に応じて提供する嚥下調整食の目安が判定できること、真空低温加熱の加熱時間により軟らかさを調整した食品が作成できることが示唆された。
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Research Products
(5 results)