2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病合併症の発症を予防する食品因子の探索とその作用機序解明
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24500986
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 友子 (大矢友子) 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (80329648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病合併症 / プロテオミクス解析 / メチルグリオキサール / メイラード反応 / ペルオキシレドキシン6 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
食品由来の機能性因子について生体レベルで正確に評価できる系を確立するとともに、食品因子による糖尿病合併症発症予防作用機序の分子メカニズム解析を行うことを目的としている。メチルグリオキサール(MG)は、解糖系及び非酵素的糖化反応(メイラード反応)のカルボニル化合物中間体で反応性が極めて高いため、タンパク質と反応して安定な付加体(Advanced Glycation End-products; AGEs)を生じる。この付加体は糖尿病合併症の発症および進展リスクの指標として有望視されている。赤血球の主要な抗酸化酵素であるペルオキシレドキシン6(Prx6)は、その発現量が多くMGによる修飾を受けやすい。昨年度までに、赤血球中のPrx6酵素活性と、MG修飾タンパク質、アクロレイン修飾タンパク質、酸化修飾Prx6の各測定を行った結果から、Prx6の酵素活性低下が各種タンパク質修飾率の増加に比例することが認められている。糖尿病患者の臨床検体である血液を利用しMG修飾Prx6値を測定した結果、空腹時血糖値(p<0.0001)と食後血糖値(p<0.0001)の両方において正の相関が認められた。また、HbA1c値よりも血糖値に対する感度が高いことが示唆された。Prx6のMGによる修飾率においては、糖尿病罹病期間との相関は認められず、高脂血症を併発した糖尿病患者で併発していない糖尿病患者に比べて有意に高かった。これらの結果から、MG修飾Prx6が糖尿病合併症の進展における有望なマーカーとなることが期待できるようになった。また、一方で、メタボリックシンドロームに対する大豆イソフラボンとタマネギケルセチン摂取の影響をそれぞれ、臨床由来の血液に含まれるMG修飾タンパク質を指標として検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MG修飾Prx6をマーカーとした評価系確立のため、糖尿病患者における「Prx6とMG修飾タンパク質の測定条件検討」と「MG修飾Prx6の分子標的としての有用性検証」を行い、ともに主な実施計画を達成した。ヒト臨床試験由来の血液を利用し、罹患期間と合併症の進行度を考慮した解析を行うことができた。臨床検査で捨てられる残渣、赤血球を有効に活用できる条件を整えた。糖尿病患者の空腹時血糖値と食後血糖値に対しそれぞれMG修飾Prx6値の正の相関が認められた。また、これまで糖尿病の臨床マーカーとして利用されてきたHbA1cとの比較検討を行った。MG修飾Prx6値はHbA1c値よりも血糖値に対して感度が高いことが示唆された。HbA1c値は合併症の進展を示す各種パラメーターとの相関は認められず、この値だけでの糖尿病進行の予測・判断が危険であること示唆された。Prx6のMGによる修飾率は、糖尿病患者のうち高脂血症を併発することで有意に高くなることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画はされていなかったが、MG修飾Prx6値の半定量分析が可能な系が確立されたため、定量化を目指す。
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Causes of Carryover |
実験(ウエスタンブロッティングやELISA測定等)を効率的に進めた結果、消耗品費を節約できたことから、当初は計画されていなかった追加・再現性実験を実施するに至った。半定量分析が可能な系が確立され、定量化を目指すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究費の多くは、生体試料の各種評価のために使用する種々の生化学試薬、分子生物学的試薬、特異性が高く高感度な抗体、ELISA測定に使用するプラスチック類器具(96穴プレートを含む)等の消耗品費が占める。特に追加・再現性実験では、定量的フォーカストプロテオミクスに利用する既知量のペプチドを使ってELISAでの検量線を作製するための抗体とペプチド合成の費用が占める。これら実験の結果に基づき、研究費の一部は、研究成果発表のための学会誌投稿料が占める。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] High-resolution copy number variation analysis of schizophrenia in Japan.2017
Author(s)
Kushima I, Aleksic B, Nakatochi M, Shimamura T, Shiino T, Yoshimi A, Kimura H, Takasaki Y, Wang C, Xing J, Ishizuka K, Oya-Ito T, Nakamura Y, Arioka Y, Okada T, Iidaka T, Iritani S, Yamamoto T, Numata S, Ohmori T, Kunimoto S, Mori D, Iwata N, Ozaki N. et al.
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Journal Title
Mol Psychiatry.
Volume: 22(3)
Pages: 430-440
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Resequencing and association analysis of six PSD-95-related genes as possible susceptibility genes for Schizophrenia and Autism Spectrum Disorders.2016
Author(s)
Xing J, Kimura H, Wang C, Ishizuka K, Kushima I, Arioka Y, Yoshimi A, Nakamura Y, Shiino T, Oya-Ito T, Takasaki Y, Uno Y, Okada T, Iidaka T, Aleksic B, Mori D, Ozaki N.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 7;6
Pages: 27491
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Mutation screening of GRIN2B in schizophrenia and autism spectrum disorder in a Japanese population.2016
Author(s)
Takasaki Y, Koide T, Wang C, Kimura H, Xing J, Kushima I, Ishizuka K, Mori D, Sekiguchi M, Ikeda M, Aizawa M, Tsurumaru N, Iwayama Y, Yoshimi A, Arioka Y, Yoshida M, Noma H, Oya-Ito T, Nakamura Y, Kunimoto S, Aleksic B, Uno Y, Okada T, Ujike H, Egawa J, Kuwabara H, Someya T, Yoshikawa T, Iwata N, Ozaki N.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 12;6
Pages: 33311
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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