2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500993
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
清水 純 城西大学, 薬学部, 講師 (70297597)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炊飯米 / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
炎症性腸疾患は、近年我国で患者数が増加しつつある疾患の一つで、早急な対策が求められている。これまでに申請者らは、炎症性腸疾患モデルマウスであるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導マウスを用い、炊飯米(α化米)粉末を投与したところ、大腸炎の軽減作用を見いだした。本研究は、炊飯米の摂取による炎症抑制メカニズムの解明を目的としている。本年度は、予備的検討として、飼料中の不溶性食物繊維(IDF)レベルが、マウスDSS誘導大腸炎に及ぼす影響について検討を行った。その結果、IDFレベルによりDSS誘導大腸炎が影響されることを見いだし、今後の実験ではIDFレベルを一定にする必要があることが判明した。次に炊飯米がDSSによる大腸炎に対して予防的、または回復に効果を発揮するのか検討を行った。C57BL/6マウスに飲水として2.5%DSS溶液を5日間投与し、大腸炎を誘導した。炊飯米含有飼料を、飼育の全期間、DSSの投与前、投与中、投与後に与える実験群を、それぞれ設けた。DSS投与終了後、さらに7日間飼育を行い、体重変化、便性状、便中潜血から病態スコアを求め、回復効果も観察した。その結果、病態スコアは対象群に比べ、炊飯米を投与したすべての群で抑制傾向を示し、炊飯米の大腸炎抑制効果が確認された。とくにDSS投与後に炊飯米を与えた群は、病態スコアの上昇が緩やかで、低下も早く、大腸炎の回復に効果があると認められた。炎症の指標であるミエロペルオキシダーゼ活性や、TNF-α、IL-1などの遺伝子発現では、炊飯米を投与群した群は対照群に対し、有意に低値を示した。しかし、炊飯米投与群の間では、大きな差は認められなかった。以上の結果から、炊飯米が実験的大腸炎において、とくに回復期に関与するとの知見を得た。現在、炊飯米のどの成分が炎症に関わっているのか、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験動物の飼育条件において検討が必要な予備実験を行ったが、炊飯米の機能性について見いだし、到達目標を当初の研究実施計画をほぼ予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析 大腸炎を誘導マウスおよび通常マウスに炊飯米を投与し、大腸粘膜と肝臓をサンプルとして、DNAマイクロアレイにより、炊飯米が遺伝子発現与える影響を解析する。 2.炊飯米投与による腸内フローラの変動 炊飯米投与マウスの糞、または盲腸内容物中の腸内フローラを、リアルタイム PCRを用いて解析を行い、炊飯米による腸内環境の変化を探る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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