2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500993
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
清水 純 城西大学, 薬学部, 講師 (70297597)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炊飯米 / 米ペプチド / J774.1 / Caco-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、培養細胞株に炎症状態を誘導し、米たんぱく質の加水分解物を用いて炎症軽減効果について検討を行った。トリペプチドが主体である米ペプチド(PEP)を用い、最初に、マウスマクロファージ様細胞株であるJ774.1を用い、LPSにより刺激した条件でPEPの影響を調べた。PEPの濃度は、0 mg/mL(対照),0.25, 0.5, 1.0mg/mLとした。培地中のNOとTNF-αの濃度は、PEP 0.5mg/mLではわずかに高くなり、PEP 1mg/mLでは、低下を示したが、有意差は認められなかった。リアルタイムPCR法による遺伝子発現量の測定では、TNF-α,IL-1βなどの炎症関連遺伝子の遺伝子発現量は、対照群と比べ、PEP 0.25mg/mLではむしろ高くなり、PEP 0.5,1.0mg/mLでは低下傾向が見られた。これらの結果から、PEPの炎症抑制作用には、低濃度では効果が無く、ある程度の濃度が必要であることが示唆された。次にヒト大腸ガン由来の細胞株Caco-2を、ポアサイズ0.4μmのポリカーボネート膜上に28日間培養し、シート状の小腸上皮様細胞を作成した。管腔側にPEP 0(対照),0.5, 1.0mg/mLの培地を入れ、基底膜側には炎症を誘導するためTNF-αを添加し、バリア機能の指標として経上皮電気抵抗値(TEER)を経時的に測定した。TEERは、TNF-αを作用させた24時間後には、None(TNF-α非添加)に比べ、TNF-αを添加した3群で有意に低下した。48時間後には、対照に比べPEPの2群で高値を示したが、有意な差ではなかった。基底膜側のIL-8濃度は、対照に比べPEP 1.0mg/mLで有意に低値を示した。タイトジャンクション機能に関係するZO-1,Claudin-1の遺伝子発現量測定では、対照群との間に有意差は見られなかった。こられの結果から、PEPは炎症の抑制よりも、(腸管)組織の機能維持に寄与していることが推察された。
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