2013 Fiscal Year Research-status Report
対面コミュニケーションが新奇食物受容に及ぼす効果の実験的解明
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24500999
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
木村 敦 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (90462530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒造 正樹 神奈川大学, 工学部, 准教授 (10456155)
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Keywords | 食物新奇性恐怖 / コミュニケーション / 食品 / 食行動 / 社会心理学 / 生体センシング |
Research Abstract |
本研究は社会心理学, 映像解析学, センサ工学を融合した手法により共食の場を定量的に解読し, 共食相手との対面コミュニケーションが新奇食物の受容に及ぼす影響の心理・行動モデルを構築するものである. 平成25度は研究計画に従って, コミュニケーションが新奇食物受容に及ぼす影響の解明に着手した. まず, 平成24年度に実施した実験について追加実施し実験参加数を増やすことで, 知見の信頼性を確認した. 次に, 食コミュニケーション中の会話・行動の中で食やコミュニケーションに影響を及ぼす行動を抽出するために, 2名, あるいは3名の共食場面映像について行動解析を行った. これらの成果は平成26年度に発表予定である. さらに, SNS(social networking service)を通じての食写真投稿といった現代の新しい食コミュニケーションが食物受容に及ぼす影響を調査するために, SNS利用や記事投稿に関する意識調査を実施した. これらの調査は平成26年度も引続き実施し, 成果としてまとめる予定である. また成果公表に関して東京電機大学と筑波大学で開催している「コミュニケーションの応用と分析研究会2014」について平成25年度開催分を共催し, 食とコミュニケーションに関するワークショップを実施した. ここでこれまでの成果を報告するととともに, 食コミュニケーションの専門家によるパネルディスカッションを通じて今後の課題を整理した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は, 当初の予定通り食コミュニケーションの構造分析に取り組んだ. 多様な食コミュニケーションの様相を探るため, 人数や食事の種類等が異なる複数の映像を分析対象とし, 人間が食品や食器をツールとして円滑にコミュニケーションを行う様相を解析した. 映像解析には時間と技術が必要となるが, 映像解析経験のある研究補助スタッフを雇用することで効率的に解析が進められている. 平成26年度も引き続き同じスタッフに解析を継続してもらう予定であり, 平成26年度中には成果として発表できる予定である. また成果発表に関しては, 論文, 国際会議等にて知見を報告するとともに, 研究会を共催して「食」「コミュニケーション」のキーワードのもと専門領域の異なる多くの研究者と本研究成果について議論を交わすことができた. このように, 研究遂行・成果発表とも概ね予定通りに進んでいるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は, まず平成25年度に引き続き共食コミュニケーションの映像解析を進め, 食物摂取に影響を及ぼす集団力学(場の雰囲気)を明らかにする. またこれらの成果を順次論文化し成果公表に努める. また, これまでの実験を通じて食事時間が共食コミュニケーションの質に影響を及ぼす可能性が示唆されていることから, 平成26年度はこの点についても実験的に明らかにする. 具体的には, 新奇食物を含む共食会話課題の課題時間を操作した実験を行い, 課題時間と課題中の言語・非言語行動との関連を明らかにする. さらに, 平成25年度に引き続きSNSを介した食コミュニケーションの様相を明らかにする. これらを通じて対人コミュニケーションが新奇食物の受容に及ぼす影響の心理・行動モデルを構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予算額に対し物品費の執行が抑えられた.物品費は主に実験用試料の購入を予定していた.本年度実施した食事実験が効率的に行われ,解析の結果,精度の高いデータが得られていたため,追加実験を必要としないことが判明しその後の実験用試料の購入を必要としなかった. さらに解析の結果,新たな食事実験への展開の可能性が認められ,現在準備を進めている.そのため,新たな実験における実験用試料の購入に充当したいと考えている. 引き続き,実験試料の購入,さらに,成果報告の件数が増えることが予想されるため,一部を旅費に充当する.
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Research Products
(13 results)