2013 Fiscal Year Research-status Report
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24501001
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
蘆田 一郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (10323958)
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Keywords | 眼瞬 / 味応答 / 基本味 / 電気味 / 健常成人 |
Research Abstract |
研究代表者は、味刺激が眼瞬(まばたき)応答を引き起こす現象について、基本味溶液(とくに高濃度の酸味および苦味)による刺激は有意に多数の眼瞬を誘発し、また、より速い応答が得られると分かった(J. Behavioral Brain Sci, 2013)。眼瞬は、一般には光・音・触圧ないし痛みに対する防衛反応として知られ、味刺激に対する応答としての報告は無いところから、味応答としての眼瞬は過去に報告のない新知見と言える。これらの先行結果を受けて、本課題研究は、より複雑な混合味溶液、半固形・固形の食品、および電気味による眼瞬味応答を調べるために計画された。 はじめに、大量の眼瞬応答から得られる多量の「眼瞬回数」や「各眼瞬の時間特性」といったデータを画像パタン・マッチングの技法によって計測可能な眼瞬記録装置(TAKEI-2013、竹井機器工業)を開発した。 平成25年度には、8名の健常被験者を募り、4基本味の水溶液(各6濃度段階)の味刺激をおこなったときの応答を1) 眼瞬応答(開発した装置による)、2) 眼輪筋活動(表面筋電図による)、3) 表情(動画撮影および表情筋の表面筋電図による)および4) 官能評価によって記録した。しかし、要因を限定した単純な分散分析手法では主要因間に有意差が検出されなかった。ついては、引き続きデータ数を増やし、食品種や味の組み合わせを増やすとともに、解析に混合モデル法を導入するなどしてより詳細な解析を継続する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね計画にしたがって実験データを収集し、また、成果も報告しているが、前年度に計画していた一部の実験(「電気味覚計」を用いた実験)が未了であるため、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、半固形ないし固形食品(寒天ゼリーやグミ・キャンディを想定)といった様々な食品物性(テクスチャや粘性など)を用いた実験について、食品種や被験者数を増やして追試を実施し、眼瞬応答のデータを増す。加えて、平成25年度に未了であった、刺激時点の特定に有効な電気味刺激による実験をおこない、眼瞬応答をもたらす神経回路の特定を試みる。 平成26年度は計画の最終年度となるため、これまでに得られた知見の統合(味およびテクスチャといった種々の要因の混合モデル化)や論文刊行が主体となる。 また、一部の追試や実験をおこなう必要があるところから、研究費の主要な用途は「実験被験者への謝礼」となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた実験の一部が実行できなかったため、消耗品費および被験者謝礼として使用を予定していた予算に残が生じた。 後倒しで実験を実施することにより、予定額どおりの予算執行を図る。
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Research Products
(6 results)