2013 Fiscal Year Research-status Report
酸味受容修飾物質によるヒトレベルでの酸味受容体の特定とその構造相関性の解析
Project/Area Number |
24501006
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
塚本 義則 中部大学, 応用生物学部, 教授 (60592079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00312653)
堤内 要 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (50329851)
石田 康行 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (70273266)
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Keywords | 味覚修飾 / 酸味抑制 / 酸味受容体 / アフリカツメガエル / 電気生理学的手法 / 微生物生産 |
Research Abstract |
本研究は大きく(A)酸味受容修飾アッセイ系の確立、(B)酸味受容修飾物質候補の調製、(C)電気生理学的手法による酸味受容修飾アッセイと酸味受容修飾物質のスクリーニング、(D)ヒトの舌レベルでの酸味受容修飾のアッセイ及び(E)酸味受容修飾物質の構造相関性の解析の5つの研究段階に区分されるが、現在は大半が(D)の準備段階にまで進んだ状況でほぼ計画とおりに近いレベルまで進展できている。 (A)酸味受容修飾アッセイ系の確立:酸味受容体候補4遺伝子のh-ASICs(1a,1b,2a,3)の大腸菌へのトランスフォーミングとトランスフォーマーを用いた各々の遺伝子のプラスミドDNAの増幅→制限酵素による開環とcDNAの調製→cDNAを鋳型としたcRNAの合成→アフリカツメガエルの卵母細胞へのcRNAの単独及び複合注入→発現タンパク質をセンサとした電気生理学的アッセイ系を確立した。 (B)酸味受容修飾物質候補の調製:酸味受容修飾機能を有する物質の仮説として酸味受容体タンパク質を高分子で被覆、あるいは当該タンパク質に静電気的結合、イオン結合や疎水結合しうる物質で酸味受容体タンパク質の三次元構造を変化させてプロトンの通過を阻止する2つの機能の観点から、(1)ペプチド系(テアニン)、(2)糖質系(多糖)、(3)脂質系(界面活性物質)、(4)カテキン類の代表的な試料の調製を完了し、電気生理学的アッセイに供した。 (C)電気生理学的手法による酸味受容修飾アッセイと酸味受容修飾物質のスクリーニング:ペプチド系(1種)カテキン類(3種)、多糖類(1種)においてh-ASICsの単発現系及び共発現系の一部でも酸味を抑制又は増強する可能性を秘めた試料が複数認められた。 (D)ヒトの舌のレベルでの酸味受容修飾アッセイ:上記の酸味抑制ないしは酸味増強効果を秘めた試料についてヒトの舌レベルでの官能評価を現在確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究のテクニカル課題 H24年度には当初予想していた以上にh-ASICs遺伝子のトランスフォーメーションの作製に手こずったが、安定化のための原因分析に鋭意取り組んだことと実験を反復する中での緻密なテクニカルスキルの修得の結果、H25年度には安定してトランスフォーマー作製→プラスミドDNAの増幅→cDNAの作製→cRNAの合成をスムースに行うことができ、研究が大幅に推進できるようになった。 ただ、当初購入を予定していた酸味受容体遺伝子候補のPKD1L3とPKD2L1については、クローニングによる遺伝子の取得を計画したが、まだクローニングがうまくいっておらず、H26年度にまでずれ込むことになった。 2.人員体制 H25年度は研究生が3名体制に充実できたことから、効率的かつ効果的に研究を進めることが可能となり、H24年度の遅れを取り戻して研究全体としておおむね順調に進展できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) H25年度の4種のh-ASICsの単発現及び共発現系での電気生理学的手法による酸味受容修飾のアッセイ結果からは、単発現と共発現系で脱分極時の電気シグナルピークの波形に少しの違いは生じるもののその強さはほとんど差が認められないことから、H26年度の電気生理学的アッセイにおいては、単発現系と4種の遺伝子の共発現で酸味受容修飾活性を調べ、その結果を踏まえて2つ及び3つの共発現でのアッセイの必要性について判断をしていく形をとり、より効率的で効果的な研究の進め方を採用することとした。 (次年度の研究費の使用計画) 1.研究推進:2つの酸味受容体候補遺伝子PKD1L3とPKD2L1のクローニングによる入手ではなく、当初の計画通り外部から購入(2つで55万円予定)する方向に再度方向修正して研究推進する予定。 2.成果発表:H26年度中には研究成果について日本農芸化学会に口頭発表及び論文投稿(旅費+論文投稿で12万円予定)を行えるように研究推進していく。 残りは研究のための消耗品購入に充当していく予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた酸味受容体遺伝子候補のPKD1L3とPKD2L1遺伝子の購入が発生しなかったためにH26年度への繰越しとなった。 H26年度にはH25年度に繰り越した予算は予定通り酸味受容体候補遺伝子PKD1L3とPKD2L1遺伝子の外部購入に充当させる計画である。
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