2013 Fiscal Year Research-status Report
食事記録調査の精度向上を目指した調査支援ツールのモデル設計とそのシステム開発
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24501007
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
今枝 奈保美 名古屋女子大学, 家政学部, 准教授 (80387662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 信 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00514952)
磯本 征雄 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (10029994)
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Keywords | 食事調査法 / 標準化 / データクリーニング / 調査バイアス / e-ラーニング / 栄養疫学 / 食事の個人内変動 / 食物摂取頻度法妥当性 |
Research Abstract |
生活習慣病予防には食事量の把握が基本であるが、調査過程の定形化・標準化が不十分である等の問題点がある。本研究課題は,食事記録調査の精度向上と調査者のスキルアップに資するために、食事記録調査の信頼性に影響する諸因子の関連を定型化して、モデルを設計する。モデル設計の内容は、食事調査支援ツールとしてweb上に実装し、その効果を評価し、食事記録調査の信頼性を数値化することを目標としている。 本年度も引き続きJ-MICC(日本多施設共同コーホート研究)の食物摂取頻度質問票の妥当性研究で実施されている食事記録調査(写真付き秤量記録法、四季節隔日3日間)を対象に進め、2014年5月現在、8地区、221人、1,969日分の食事内容について、コード化、重量推定する過程を評価した。 その結果、遠隔地、複数の機関で実施される3ヵ年以上かかる食事記録調査を標準化するためには、メーリングリスト(ML)、スタッフの訓練セミナー、e-Learning システムの運用、データ回収用写真共有アプリ、データクリーニング用(DC)のデータベースが効果的だったことが、運用実績および状況アンケート等で明確になった。特にMLの総数は1261通に達し、2012年2月の開始時期から経時的に観察すると、地区が調査を始める時期には、本部から地区スタッフへの手順確認と訓練等の伝達(379通)が、調査中盤は各地区からコード化判断困難事例の相談(246通)が発信され、それ以降はDCの依頼と返信(494通)が常時発生していたことが観察された。DCの効率化に関する評価は、各地区から初めて提出されたデータ(B:before)と、最終的な確定データ(A:after)から得られた1日分食事摂取量(エネルギー、ナトリウム、脂肪)の平均、標準偏差を求めて、AとBの平均値の差の検定、相関係数、Bland Altman分析で解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究では、Webを利活用して、遠隔地にいる複数食事調査スタッフの訓練、食品のコード化、コーディングの標準化、データクリーンニングなどに関する支援ツールを開発してきた。今後さらに、それらを総合的に反映した食事記録の本体ツール、すなわち、食品番号と重量の検索・入力ツールが必要になってきた。特に、詳しい食事記録が得られない状況を想定して、食事の写真だけから食事摂取量を評価するシステム開発は、当初より目標にしていた事項の1つであるので、食事写真は収集済みであり、その食事の栄養摂取量評価、食材の評価は完了しつつある。 今年度は、Webを用いた食事調査ツールの設計、開発、実装ができるように、研究を推進していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、食事記録調査の信頼性に影響する諸因子の定型化、モデル設計に関して、食事調査支援Webツールの開発・運用・改善というサイクルで進展させる。 webツールは、食事の暗黙知・経験知をデジタル情報として可視化できる。しかし、スタッフが気づいていない事項は、当然、報告されてこないので、信頼性に影響する因子も潜在していると思われる。欧米で主流の食事調査24時間思い出し法の支援ツールを研究対象に加えるなどして、丁寧な考察を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、食品のコード化、コーディングの標準化、データクリーンニングなどに関するツールを、食事調査のセンターとして開発してきた。しかし、研究が進行するにつれて、Web上に、それら事項を総合的に反映したツールを開発する必要性が、改めて高まってきた。そのため、プログラム設計開発に関する予算を執行するのが遅れている。 これまでの研究過程で、食事記録調査の信頼性に影響する諸因子の関連を定型化に関しては、概ねのモデル設計をすることができているので、それらを総合的に反映したWebツールを開発する予定である。 そのWebツールの実用性を評価するための、食事記録や写真は収集済みであるので、プログラム開発ができ次第、早急に検証する研究に以降したい。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Usual dietary intakes of selected trace elements (Zn, Cu, Mn, I, Se, Cr, and Mo) and biotin revealed by a survey of four-season 7-consecutive day weighed dietary records in middle-aged Japanese dietitians.2013
Author(s)
Imaeda N, Kuriki K, Fujiwara N, Goto C, Tokudome Y, Tokudome S.
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Journal Title
J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo)
Volume: 59
Pages: 281-288
DOI
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[Presentation] Optimal food consumption among Japanese adults with adequate nutritional intake according to the Dietary Reference Intakes for Japanese2014
Author(s)
N. Imaeda, K. Wakai, C. Goto, SK Kamano, N Fukuda, I. Oze, H Nanri, S Hosono, M Watanabe, M Yamaguchi, M Nakamoto, NT Nakahata and J-MICC Study Group
Organizer
The 20th IEA World Congress of Epidemiology (WCE2014)
Place of Presentation
Alaska Anchorage, USA
Year and Date
20140817-20140821
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