2013 Fiscal Year Research-status Report
成長期の骨量増加因子と骨量に対する学校給食の寄与の解明
Project/Area Number |
24501011
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
郡 俊之 近畿大学, 農学部, 講師 (80440999)
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Keywords | 骨密度 / 学校給食 / 成長期 / 骨量 / 骨粗鬆症 / 子ども |
Research Abstract |
老年人口割合の増加により、骨粗鬆症による寝たきりの増加が課題となっている。骨量は20歳前後で最大になり、その後は減少するため、骨粗鬆症予防は、成長期に骨量を最大限高めることが重要となる。そこで成長期の子どもを対象とし、骨量増加因子を縦断的に検証し、また、学校給食が小学生の骨形成に及ぼす影響を検討している。 【調査内容と途中結果】 H25年度は同意が得られた小学3~6年生(589名)、中学1~3年生(337名)、および高校1~2年生(213名)を対象に調査を実施することができ、想定数のデータを集めた。なお、小学4~5年生で完全給食実施校は139名、給食非実施校(持参した弁当をお昼に食べる)は222名であった。H24年度と同様に、①定量的超音波法による骨量計測、②食事歴法による食習慣、③生活習慣、④3日間の活動記録を調査した。H24~25年度の平均骨梁面積率(骨密度相当)は、小学3年生の男女それぞれ29.9%、29.4%に対して、小学6年生では男子31.1%、女子32.0%と、女子の伸びが高かった。また、中学1年生の男女それぞれ32.2%、33.4%に対して、中学3年生では男子34.2%、女子34.9%と上昇した。高校生は1年生の男女それぞれ35.9%、36.7%に対して2年生の男子は上昇したが、女子は伸びなかった。 H21~25年度(予備調査含む)の小学4~5年生で、給食非実施校の平均骨梁面積率(学年で調整済み)は男子30.4%、女子30.0%に対して、完全給食実施校は男子31.2%、女子30.9%と有意に高値を示した。さらにBMI、PAL値(身体活動レベル)、睡眠時間を調整した後も、完全給食実施校の児童の骨梁面積率が有意に高値であった。完全給食実施校の児童は、カルシウムとビタミンB1の推奨量を満たしている割合が高く、牛乳の影響が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度は同意が得られた小学3~6年生(589名)、中学1~3年生(337名)、および高校1~2年生(213名)を対象に調査を実施することができ、想定数のデータを集めた。また、次年度も同対象者を追跡する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の小学3年生~5年生および中学1年生~高校1年生について、次年度も同対象者に対して骨量測定、食習慣調査、生活習慣調査などの追跡調査を実施する。同じ対象者を最大4年間追跡してその間に増加した骨量と各種調査データから、骨量増加に寄与する要因を解析する。また、完全給食実施小学校と非実施校の児童の骨量について比較することで、学校給食の効果を検討する。
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Research Products
(2 results)