2014 Fiscal Year Annual Research Report
成長期の骨量増加因子と骨量に対する学校給食の寄与の解明
Project/Area Number |
24501011
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
郡 俊之 近畿大学, 農学部, 講師 (80440999)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨密度 / 子供 / 栄養 / 給食 / 運動 / 骨粗鬆症 / 成長期 / 骨量 |
Outline of Annual Research Achievements |
総人口に占める高齢者の割合は25.0%以上となり今後も増加していく日本で、寝たきりの原因となる骨粗鬆症の予防は重要課題となっている。骨量は20歳前後で最大になり、その後は減少していくため、骨粗鬆症予防は、成長期である子供の骨量を最大限高めることが重要となる。そこで成長期の子どもを対象とし、骨量増加に関与する因子を縦断的に検証した。また、日本の学校給食は世界的に見ても栄養面で優れているが、子供の骨形成に及ぼす影響は知られていない。そこで完全給食実施小学校と給食非実施小学校(弁当持参)の児童の骨量を比較すること検討した。 H26年度は同意が得られた小学3~6年生(505名)、中学1~3年生(364名)、および高校1~2年生(213名)を対象に調査した。H24年度と同様に、①定量的超音波法による骨量計測、②食事歴法による食習慣、③生活習慣、④3日間の活動記録を調査した。 H24~26年度の平均骨梁面積率(骨密度相当)は、小学3年生の男女それぞれ29.9%、29.5%に対して、小学6年生では男子30.7%、女子31.6%となり女子の伸びが大きかった。また、中学1年生の男女それぞれ31.8%、32.9%に対して、中学3年生で男子34.5%、女子35.1%となり小学生と比較して大きく上昇した。高校生は1年生の男女それぞれ35.7%、36.0%に対して2年生の男子は上昇したが、女子はあまり伸びなかった。 H21~26年度(予備調査含む)の小学4年生で、完全給食実施校の児童の平均骨梁面積率は、給食非実施校の児童と比較して特に女子で高値を示した。さらにBMI、身体活動レベル、睡眠時間を調整後も、完全給食実施校の児童の骨梁面積率が高値であった。通常の食事ではカルシウムが不足している日本人において小学校で実施される学校給食は、子供の骨成長にも寄与することが示唆された。
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