2014 Fiscal Year Annual Research Report
カプサイシン、ジンゲロール摂取による高血圧予防のメカニズム
Project/Area Number |
24501014
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
栗原 伸公 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (10234569)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血圧 / カプサイシン / NO / eNOSmRNA / eNOS蛋白 / リン酸化eNOS蛋白 / 高血圧予防 / 2K1C |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、先に低濃度カプサイシンまたはジンゲロールの継続的経口摂取によって腎血管性高血圧(2K1C)モデルラットの血圧上昇が抑制されることを発見した。一方で、正常血圧を示すSHAM手術後の対照群ラットにそれらを同様に経口摂取させた場合には血圧に有意な影響を与えない。本研究はそれらのメカニズムを明らかにすることを目的とする。 主要なメカニズムの1つとして、一酸化窒素(NO)の関与を検討したところ、昨年度カプサイシンを継続投与した2K1Cモデルラットの大動脈において、内皮型NO合成酵素(eNOS) mRNAの発現が増加傾向を示すことを観察した。本年度はこの検討をさらに進めるため、同じ投与をした2K1Cモデルラットの大動脈におけるeNOS蛋白量及びリン酸化eNOS蛋白量を測定し、eNOS蛋白の活性状態を観察した。 SD系雄ラットに5週齢時より、対照食(CTL)、0.006%カプサイシン食(CAP)の投与を開始した。6週齢時にそれぞれの各群において2K1C群、対照としてSHAM群の導入手術を行い、その後6週間飼育した。実験期間を通じて、週一回tail-cuff法にて収縮期血圧の測定を行った。実験期間終了時、麻酔下にて平均血圧の測定を行い、脱血死させた後、胸部大動脈を摘出し、Western blot法にてeNOS蛋白量及びリン酸化eNOS蛋白量の測定を行った。 その結果、胸部大動脈におけるeNOS蛋白量には各群の間に有意な差は見られなかったが、リン酸化eNOS蛋白量は2K1C群ではSHAM群に比べて有意に上昇し、CAP群ではCTL群に比べ増加傾向を示した。このことから、カプサイシンによるTRPV1の活性化が、CGRP、SP等を介してeNOSmRNA発現上昇及びeNOS蛋白活性化をもたらし、それによって起こるNO産生量増加がこの血圧上昇抑制メカニズムに関与している可能性があると考えられた。
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