2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病の新しい臨床栄養教育ー変化ステージ・栄養アウトカム・指導媒体の構築ー
Project/Area Number |
24501016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
高岸 和子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (70368504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 豊子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (90047308)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 栄養教育 |
Research Abstract |
栄養カルテは後ろ向きに解析し、透析導入時点での栄養ケア問題の到達度および栄養アウトカム指標を検討しました。 調査期間は2005年4月から2010年3月の6年間。対象は近畿県内施設における慢性腎臓病(非透析)382例(男性207例,女性175例,年齢51±17歳)としました。患者の栄養カルテは、栄養素等摂取量、プロブレムを相互関係に深い項目毎に食生活習慣,栄養素等摂取量過不足,食環境因子,社会的背景の4群に分け、性、年齢による違いを検討しました。また、クレアチニン(以下Cr.)と臨床検査値,4群のプロブレムとの関連性についてパス解析を用いて検討しました。 栄養素等摂取量は、エネルギー24±4kcal/kg,たんぱく質0.9±0.5g/kg,脂質比22.1±4.8%,食塩7±3g,カリウム2110±102mg,リン1003±378mg/kgでした。順位別抽出率での栄養ケア問題は、1番目から5番目に至るまで全て栄養素等摂取量が64.4%を占めました。パス図からは、栄養素等摂取不良と病態を悪化させる臨床検査値の1因子、1群がCr.上昇に直接関与し、社会的背景が食生活習慣,栄養素等摂取不良,食環境要因,病態を悪化させる臨床検査値の3群1因子を介してCr.に間接的に影響していることが明らかとなりました。また、説明率は59%でした。 Cr.上昇および腎機能低下を招く栄養素等摂取不良の6項目(エネルギー・食物繊維不足,たんぱく質・カリウム・リン・食塩摂取過剰)、食生活習慣の3項目(欠食,治療用特殊食品未利用,外食・中食習慣)にポイントを絞った栄養教育の展開が効果的と考えます。同時に食事療法に対するストレス,経済的問題,孤食,家族非協力の4項目は栄養素等摂取不良にも大きな影響を与えており、これらの問題をも念頭においての栄養教育が望まれました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
栄養カルテの分析は終え、25年1月に開催されました日本病態栄養学会にて研究成果は発表いたしました。学会からは論文推薦を頂戴し、現在作成中でもあります。 しかし、変化ステージモデルへの当てはめには、予想以上に時間を要し、予定の半分強までしか実施できていないのが実情です。今年度は残りの症例に対する変化モデルの当てはめを終え、次に解析を実施できるように努めたいと考えております。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に学会発表し、一定の評価を得た研究は、日本病態栄養学会に論文投稿を終えたいと考えております。 今年度は、24年度に終えられなかった変化ステージモデルへの当てはめを完了させ、分析を行い一つの研究成果を得られるように努めたいと考えております。 また、昨年の栄養カルテ分析の研究結果からは、栄養食事指導媒体の主眼を決め、効果的かつ個々人に応じた食事療法が実施できるものを考案していきたいとも考えております。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当しない。
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