2012 Fiscal Year Research-status Report
メタボリック症候群のリスク低減に有効な食品成分の探索
Project/Area Number |
24501021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
徳冨 芳子 尚絅大学, 生活科学部, 教授 (90253723)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能性食品成分 / メタボリック症候群 / フラボノイド |
Research Abstract |
今年度は、機能性食品の成分であるフラボノイド類(大豆イソフラボン、ケルセチン、アントシアニン、フラバノンなど)が、活性酸素産生・消去系の調節メカニズムにどのように関わっているのかを明らかにする目的で、モデル動物を用いて、レドックス調節に関わる8-ニトロcGMPとの相互作用の検討を行った。 まず、8-ニトロcGMPを合成するために、cGMPのグアニン骨格の8位をブロモ化した後、ニトロ基との置換反応を行った。 各工程での溶媒交換、脱塩、分離精製には逆相カラムクロマトグラフィーを用いた。 精製した8-ニトロcGMPの定量には、HPLC装置にて吸光度測定法を用いた。 また、マウス大動脈を用いたマグヌス実験により、フェニレフリン収縮に対するフラボノイド類の影響を調べた結果、各種フラボノイドの濃度に依存して、NO依存性、血管内皮依存性弛緩が観察された。 さらに、NO合成酵素阻害剤(L-NAME)の前投与あるいは内皮細胞除去処理によって消失していたアセチルコリンによる血管弛緩応答が、フラボノイド(アピゲニン、エクオール、レスベラトロール)存在下で再び観察された。 従って、これらのフラボノイドが血管内皮障害を補う効果をもつ可能性が示唆された。 これらの知見とレドックス活性との関与を調べるために、上記のようにして合成・精製した8-ニトロcGMPを用いて検討した。 その結果、フラボノイド類の作用とeNOSアンカップリングの関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8-ニトロcGMPの化学合成:ブロモ化反応、ニトロ基置換反応、それぞれの精製、純度の確認等に日数はかかったが、今年度の実験に使用する量の確保ができた。 酸化ストレス制御の検討:血管収縮・弛緩に対する効果の解析において、マウス大動脈を用いたマグヌス実験により、フェニレフリン収縮に対するフラボノイド類の影響を調べた。 ゲニステイン、ダイゼイン、ルテオリン、ケルセチン、アピゲニン、エクオール、レスベラトロール、ヘスペレチン、緑茶由来エピガロカテキン、等の各種フラボノイドを用いた。 今年度の研究結果について学会発表で公開し、他の研究者との意見交換、情報交換も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、フラボノイド類の酸化ストレス制御について検討を行う。 24年度に調べたフラボノイドの中から、作用の顕著なフラボノイドを選び、それらを用いて、病態マウスおよびマウス由来 各種細胞(平滑筋細胞、脂肪細胞、肝細胞等)における酸化ストレスとフラボノイドの作用との関連を、分子生理学的、免疫組織学的、生化学的に検討する。 フラボノイドと酸化ストレスとの関連を調べることによって、活性酸素産生・消去系の調節メカニズムに及ぼすフラボノイドの効果について明らかにする。 さらにメタボリック症候群のリスク低減に対して有効なフラボノイド類を探索することで、より効果的なメタボリック症候群発症予防のための応用を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究に必要な測定装置の中で、精度が高く、かつ使用頻度の高い装置を優先的に購入するために、研究費を使用する。 研究結果を、学会発表および論文発表の形で公開するために、研究費を使用する。
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Research Products
(2 results)