2014 Fiscal Year Annual Research Report
生活活動リズムに整合したポスト思春期(性成熟完成期)女性の食育プログラムの提言
Project/Area Number |
24501022
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Research Institution | Ashiya College |
Principal Investigator |
藤原 智子 芦屋学園短期大学, その他部局等, 教授 (60310744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ポスト思春期 / カロリー制限 / 生活リズム / 非活動期 / 睡眠 / 食生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、日本の若年女性層には不妊症に繋がる婦人科疾患が増加しており、生活環境の変化が重要な因子である可能性が考えられる。これまで性機能の成熟期である思春期の食生活の重要性については多くの報告がなされてきたが、思春期以後さらに性機能が完成しつつある女性(18-22歳)には適切な医学的分類用語が存在せず、食生活において自立を始めつつある時期にもかかわらず彼女達を対象とした将来の疾患に対する予防的な食生活指導および指標は十分でなかった。そこでこの時期を「ポスト思春期」と位置づけ、食生活習慣と生殖機能障害間の関係を明らかにする目的で、女子大学生を対象に、ダイエット経験や生活習慣と月経障害についての実態調査を実施し、さらにカロリー制限下での卵巣機能の状態の検証を雌性ラットを用いた動物実験により試みた。 アンケート調査から、過度なダイエット経験及び短い睡眠時間によっていずれも月経周期が不規則となることが明らかになった。一方で月経痛については、これまで報告してきた通り過去にダイエットを経験した群において強い傾向が見られたが、睡眠時間が6時間未満でさらにその傾向が顕著となった。また、ポスト思春期モデルの雌性ラットによる実験的検証から、50%カロリー制限下のラットにおいて性周期の乱れが見られ、発育卵胞と黄体の形成に変化が認められた。マイクロアレイ法によって遺伝子を網羅的に解析したところ、非活動期に50%カロリー制限を行った群において、発現変動した遺伝子数が多くなった。 本研究により得られた結果は、ダイエットによるカロリー制限に加えて、短い睡眠時間や非活動期での食餌といった不規則な生活リズムが重なることで、相加的に生殖機能に悪影響を及ぼす可能性を示唆しており、近い将来に母性を担う時期にある「ポスト思春期」の若年女性に対する効果的な教育プログラムの開発を進める上で意義ある知見といえる。
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