2013 Fiscal Year Research-status Report
トランスクリプトーム解析による食用植物油摂取が生活習慣病に与える影響の機序解明
Project/Area Number |
24501030
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
内藤 由紀子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80426428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 直温 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30242978)
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Keywords | 食用油 / 生活習慣病 / 血圧 / モデル動物 / カノーラ油 |
Research Abstract |
本研究の目的は、食用植物油の摂取が、生活習慣病の発症および進行に与える影響について調べることとした。一般的に安全だと認識されている食物であっても、生活習慣(食習慣)が原因となる疾患においては、これらの摂取によって何らかの影響がある可能性が考えられる。したがって、その背景を詳細に解析することで、疾患の治療法や予防法が見つかる可能性がある。そこで本研究では、日本での供給量第1位の食用植物油であるカノーラ油に注目した。また、同第2位であり、ラットの通常試料の脂肪源として含有するダイズ油を対照植物油とした。 平成25年度は、生活習慣病モデル動物の一種である脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)に10 w/w%カノーラ油またはダイズ油含有無脂肪精製粉末飼料を摂取させた。前年度の実験において、摂取第3週以降、カノーラ油群の収縮期血圧はダイズ油群と比較して高値を示したことから、今年度はカテコラミンの生合成・代謝に関与する遺伝子発現に対するカノーラ油摂取の影響について調べた。摂取第2週において、副腎のカテコラミン分解酵素のmRNA発現は、カノーラ油群で低下していることが認められた。第4週で発現が増加し第8週以降低下したが、第4週以降の発現量には群間差がなかった。また、第16週では合成酵素のmRNAの発現が低下した。以上の結果から、カノーラ油摂取は、カテコラミンの合成・代謝経路に影響を与えることが示唆された。次年度はさらに詳細な解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄に記載したように、計画通り進行していることから、「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、予定通り研究を進めることができたため、平成26年度も計画に従って研究を進め、さらに発展させていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
すでに購入済みの試薬等を使用することで、今年度の必要経費が小さくなった。また、次年度の解析に必要な消耗品の購入に使用するため。 トランスクリプトーム解析に必要な試薬を購入する。
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Research Products
(4 results)