2013 Fiscal Year Research-status Report
ITを駆使した初等教育における天体観察授業教材の開発と実践
Project/Area Number |
24501034
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
高田 淑子 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70302255)
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Keywords | 理科教育 / 天文教育 / IT教育 / 天体観察 / インターネット望遠鏡 |
Research Abstract |
平成25年度は、各対象天体の継続観察を行うことにより、撮像観察装置の仕様の確認、改善点の洗い出しをした。また、Windows XPサポート終了により、遠隔操作ソフトウエア更新の必要性が生じ対応策を検討した。さらに、本研究の応用として、太陽光発電における出力安定化用の雲移動予測に全天カメラが利用され、教育目的のみならず産業の発展に寄与した(三沢,花岡、2014/3電気学会)。 1.「太陽観察装置」の検討:試験的に太陽表層の特徴の継続観察を実施し、全天視野における太陽の位置・運動を把握する既存の全天視野カメラと、太陽の特徴を掴む太陽望遠鏡を新規導入して並行して提供することとした。後者は口径60㎜耐熱型太陽望遠鏡にインターネット高感度カメラを接続する構成システムを確認した。 2.「金星観察装置」の検討:試験的な金星の継続観測により、金星の形の提供のみならず、金星の天球上の位置も重要であることから、月の運等撮像装置等のシステムを活用し、形と位置を伴わせて提供するシステム構成を検討した。 3.「月の運動撮像装置」による月データ収集:「月ライブ」用の月の運動観測装置の運用を継続的に実施した。また、月教材データベースを充実させるため、このシステムにより蓄積された各月齢の月データの収集・編集し、教材作成に寄与した。 4.タブレット端末を用いたインターネット望遠鏡操作による天体の遠隔観察の実践:平成24年度に構築したタブレット端末による天体望遠鏡遠隔操作システム(インターネット望遠鏡)を用いて、小学生高学年を対象に天体の遠隔観察授業を実施した。生徒はタブレット端末操作に優れ、操作性としての問題は解決された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度予定していた金星・太陽の撮像装置の構成に関し試験的に継続観察を実施し、小中学校の授業に沿った教材提供という観点で必要視野ならびにシステム検討を行い既に導入機種選定は終了したため、次年度早々構築が可能である。 平行して、小学生向けに観察授業の実践を実施したことから、平成26年度実施予定であった教材開発、教材用画像・映像データ集積が前倒しで実施し、ソフト面で強化された。 予期せぬXP問題についての対応に苦慮したが、解決の方向性が見え、平成26年度に対応する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、継続的に、「金星ライブ」、「太陽ライブ」、「星空ライブ」の構築と運用を実施し、授業実践で初等教育における教材としての評価を行う。 1.ライブシステムの完成:「月」・「金星」・「太陽」の撮像システムを構築するとともに、ライブ映像配信と映像画像蓄積システムを完成させ、一般に公開するとともに運用の自動化を目指す。 2.補助教材の開発:各ライブシステムで自動保存された映像から天気等良好な条件のデータを選択し、四季の星空比較、星座の動きの比較など、特徴的な映像教材を選択し、モデル実験等を合わせた補助教材の開発を行い、授業実践で評価を行う。 3.授業実施による「ライブ教材」の評価:各ライブを活用した授業を実践し教材としての評価を行う。 4.ホームページによる公開・理科教育関係の発表:ブログの活用と共にホームページを整理し、教材追加、更新を行い、現場の教員が利用しやすいサイトの構築を目指す。理科教育関連学会、雑誌、あるいは、教員が接する雑誌等にて紹介記事を発表することで普及を促す。これらの天体観察ライブシステム並びに関連教材は我々のホームページに掲載して公開する。ブログを活用して意見交換の場を拡張し、教材発展に寄与する。 5.総括:教材、システムの評価も含めて本研究の総合評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度、導入予定であった太陽望遠鏡や撮像装置の機器について、本来であれば、当該年度に購入し構築する予定であったが、システムの問題洗い出しや見極めのため、まずは既存の代替品で試験的運用を実施した。そのため、発注が遅れ新システム構築までには至らなかった。 OSにwindowsを使用しているサーバーがあり、XPサポート打切問題の解決を先行させたことも一因である。 平成25年度における試験運用では、導入集光装置、撮像装置ともに導入予定装置でシステム構築が可能と判断できたため、平成26年度、最優先で導入可能予定である。
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