2013 Fiscal Year Research-status Report
就学前幼児と小学校低学年児童のための連携算数教育プログラムの開発
Project/Area Number |
24501040
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松尾 七重 千葉大学, 教育学部, 教授 (70292654)
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Keywords | 連携算数教育プログラム / 就学前教育 / 小学校算数教育 / 数と計算 / 量と測定 / 指導 / 観察 |
Research Abstract |
本研究の目的は小学校における算数科の学習指導をより滑らかにかつ効果的に実施するために,就学前幼児及び小学校低学年児童を対象とした算数の基礎教育プログラムを開発し,その効果を検証することである。 今年度は,第一に,小学校低学年における「数と計算」及び「量と測定」に関する予備指導を,幼稚園で2回,こども園2園で2回ずつ実施し,その効果を,観察等を通して確かめた。「数と計算」に関しては,買い物ごっこ遊びを行う過程で,500玉を100円玉に両替して考えたり,500円でいくらおつりがもらえるかを考えたりする場面で指導を行った。場の設定と簡単な声かけにより,個人差があるものの,年長修了時には多く子どもたちが正しくお金をやりとりできるようになることが分かった。また,「量と測定」に関しては,長さ比べと広さ比べについて,直接比較,間接比較,任意単位による測定の場面を与え,声かけを工夫することで,年長児が任意単位による測定まで到達できることを確認した。第二に,アメリカ合衆国のデンバー大学のクレメンツ教授らのグループが実施した就学前から小学校低学年の数学指導プログラムの一部を参考にして,小学校第1学年における長さ指導を,千葉県内の2校2学級で実施した。その結果,児童によってばらつきがあるものの,第1学年のカリキュラム上の長さ指導の前に,任意単位による測定まで思考が進んでいることが分かった。第三に,以上の結果を踏まえて,本指導で実施するための指導プログラム案を検討し,本指導実施に向けての準備をした。 以上の研究成果の一部を,国際数学教育心理学会(PME)及び日本数学教育学会秋期研究大会で発表し,千葉大学教育学部研究紀要に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的である,幼稚園やこども園における算数教育のための予備指導及び小学校第1学年における予備授業を実施し,その効果検証のための調査を行い,その結果を分析し,指導要因を明らかにすることができ,さらに,本指導及び本授業の実施計画を立てることができたため。また,その結果の一部を,国際数学教育心理学会(PME)や日本数学教育学会秋期研究大会で発表し,千葉大学教育学部研究紀要に掲載することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,課題:構想した指導及び授業を実施し,その効果を検証し,連携算数教育プログラムを提案する。そのために,以下の5つの項目について実施する。 ①本指導及び本授業を実施する。平成25年度に作成した指導計画及び学習指導案を基に,本指導及び本授業を行う。(協力学校園等への訪問(旅費,会議費等))②本指導・本授業の効果検証のための調査を実施し,その結果を分析する。指導及び授業前後で質問紙調査及び面接調査等を行い,理解の向上を確認し,同時に,指導要因を明らかにする。(調査補助及び調査結果分析補助,印刷用紙・インク,ファイル,ノート型コンピュータ,DVDディスク等))③この結果を基に,指導計画及び学習指導案を修正し,指導要因を生かした連携算数教育プログラムを作成する。④研究成果を発表する。これまでの研究成果を,日本数学教育学会,日本保育学会等で発表する。(旅費,学会参加費等)
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Research Products
(3 results)