2013 Fiscal Year Research-status Report
開拓的理科学習のための統合的トピックマップ駆動e‐Learningの構築
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24501042
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松浦 執 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70238955)
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Keywords | Topic Maps / e-Learning / 児童アセスメント / 拡張現実 / プロジェクションマッピング / ジェスチャー入力 / 立体映像教材 / ナビゲーションデザイン |
Research Abstract |
当該年度ではまず、児童アセスメント、教師の知恵wikiに加え、学級経営の改善に資する教師の授業に関する自己省察ツールを作成した。さらに実践的研究として、学級経営上の困難を持つ実際の学級で、第3者による児童の行動アセスメントと、教師の児童アセスメント、児童の自己アセスメントを比較することで、教師の見落としを示唆する試みを行った。 教材開発では次の試作と試行を行った。第1に拡張現実(AR)技術を用い、力の釣り合いや振動運動の実験に関して、物体に作用する力のベクトルなどをARオブジェクトとして可視化した。これを装置にプロジェクションマッピングすることで、実体の現象を物理的理論に直接結びつける可視化手法を構成した。さらに運動物体でのAR表示のタイムラグの問題を検討した。第2に、仮想空間でのフレミングレール実験を、センサーで読み取った手指の実運動により制御する教材を試作した。この教材では、仮想空間に可視化した手指の運動が、指の実運動にフィードバックすることが示唆された。第3に立体映像教材では、特に3次元的構造の認識に負担のある回転運動のコンテンツを検討した。立体映像の視聴を継続すると酔いを伴いやすい一方で、回転運動は立体映像でなくても絵画的手がかりによる立体感が得られる。そこで、立体映像の短時間暴露により立体認識を補う方式を提案した。 Topic maps e-Learningシステム”Everyday Physics on Web (EPW)”の構築については、URLリクエストの引数として表示の中心となるただ1つのトピックidを用いつつ、関連トピックをナビゲートするプログラミングデザインの検討を行った。これは、引数のトピックをリクエスト時にサーバー上で分析して、1つのwebページに複数の表示バリエーションを割り当てることで、管理するページタイプを削減できることが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の教材開発は、拡張現実(AR)、プロジェクションマッピング、ジェスチャー入力、立体映像、多視点可視化の技術を用いて、仮想実験装置と実実験とを結びつける新規の成果が得られた。いずれも教材としての実用性を確保するためには、知覚上の計測実験が不可欠であり、様々な新しい問題が示唆された。AR教材は多人数参加型の教材を構成することが可能であり、自らの参与が全体に反映されると同時に映写もされる状況で、恊働的な参加が自然に促される可能性が見られた。今後、1つ1つの教材タイプについて、知覚、および教育実践の両面から実験的研究を深める必要がある。また、簡易なwebでの配信に関しては、今後の検討が必要である。 学級運営に関するツール開発については、実践的に要求される機能の検討を進めている。また実用的により使いやすいツールにすることが、教師側から求められている。教育現場でのタブレットの導入等が進みつつある中、ネットワークの有無によらず、直観的に使いやすいツールの再開発が必要な段階になりつつある。 統合的環境としてのTopic Maps-based e-Learningシステムについては、予定した必要要件は概ねカバーしたと考える。しかし、柔軟な推奨システムや利用者自身の情報収集記録の導入などを組み込むなど、更なる高度化のためのプラットフォームの再整備が必要であり、そのための再構築に着手している。Topic Mapsをベースにしているゆえに、構造の論理化およびその論理の組み替えを明瞭にできる。
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Strategy for Future Research Activity |
Topic Maps-based e-Learningシステムについては、URLリクエストレベルでの1主題トピック-1リクエストの形式で、主題トピックに関連づけられた、ナビゲーション形式、「出現(occurrence)」表示形式、「関連」トピックナビゲーションを展開する標準型への統一を図る。この上で、ジェスチャー入力による多視点・多次元型ナチュラルインタフェースの提案と実装を実施する。 実・仮想空間連携メディア教材に関しては、それらに適合するトピックについての教材を制作する。これとともに、それぞれの教材に関して、知覚実験と教育実践実験を実施して設計法と実践法の両面での検討を行い、最終的に知見のまとめを行う。
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Research Products
(16 results)