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2012 Fiscal Year Research-status Report

放射線と放射性物質についての教育方法の研究ー「見えない」ものを見せるためにー

Research Project

Project/Area Number 24501049
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

田村 圭介  福井大学, 医学部, 教授 (30212046)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 内田 聡子  福井大学, 医学部, 助教 (60334843)
大垣内 多徳  福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70291375)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords放射線計測 / 物理教育 / 公開講座
Research Abstract

本研究は,「見えない」放射線や放射性物質を「見せる」ことを目的とする。
(1) そのために,「放射線」および「放射性物質」に関わる現象について,体系化された実験の集合体を構築し,それらを用いて曖昧さのない理解が可能となる教育方法を開発し,その成果を大学初年度,初等・中等教育,一般社会人を対象とした講義や公開講座で実践する。実験の集合体として,原子の構造,放射線および放射性物質,計測装置と測定,加速器による放射線の現象と概念を説明するためのものを準備する。「加速器による放射線」では,基礎研究,応用研究,放射線がん治療などにおける放射線利用を取り上げる。
(2)シンチレータ検出器はガンマ線を測定するために不可欠である。本研究において,低線量の放射線計測に特化したシンチレータ検出器を開発し,測定結果のエネルギースペクトルをUSB接続可能な情報端末などに表示できるようにする。また,エネルギースペクトルの意味を理解するために,測定結果と直接比較できるようなシミュレーション・ソフトウェアを開発する。市販の計測器は様々な用途に対応できることが求められるため高価なものが多い。食物による内部被爆の問題に対処する目的のためには,すべての性能は必要とされない。本研究は,信号処理を行う電子回路と高電圧発生装置が,簡便に製作できるようにすることを目的のひとつとする。これにより,低線量の放射線計測が精度よく安価にできるようにすることを目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

[ テーマの整理と精選] 原子について学習していない中学生を対象として,演示実験の接続によって原子,電子,原子核,放射線の理解へ導くための体系を構築する。全体の流れが簡明で,論理展開に曖昧さがないようにテーマの整理と精選を行なう。(大学での講義,公開講座を通して進行している。)
[演示実験装置の開発と改善] 演示実験に用いる装置には「 構造が簡単で機能が容易に把握できること」「実験条件の変更が容易であること」「多くの人数で実験が観察できること」「安定して動作すること」の条件がもとめられる。(大学での講義,公開講座を通して進行している。)
[ シンチレータによるガンマ線計測] 食物にまつわる内部被曝の問題などにかかわる場合,放射線が持つエネルギーを測定し,放射線を放出する原子核の種類を特定する必要がある。大型で安価なシンチレータ結晶を用いて光電子増倍管の出力信号から,信号の大きさと頻度を読み取るための確実で安価な電子回路を作成する。また,放射線がシンチレータ内で起こす現象を理解し,実際に測定されるスペクトルと比較できるように,簡便なシミュレーション・ソフトウェアを開発する。(研究室が位置する建物について予想していなかった大掛かりな工事が行われた。このため,平成24年度は,測定装置の開発を行う時間と場所を確保できなかった。)
[ 外部教育機関および一般社会人を対象とした出前講義と公開講座] 小・中・高等学校,教育委員会などの外部教育機関と連携して,本研究で開発した演示実験装置とガンマ線計測装置を用いた教育プログラムを実践する。さらに,社会人を含めた広い年齢層を対象とした公開講座を開催し,装置やプログラムの改善に資する。(平成24年度は公開講座を7回開催し,370名の参加があった。)

Strategy for Future Research Activity

平成24年度,本研究を遂行する主体が使用する研究室について,予想していなかった大掛かりな改修工事が行われ,研究者が予想外の雑事に追われることになってしまった。このため,研究計画のうち,放射線測定装置の開発を行う時間と場所を確保できなかった。しかし,測定装置の電子回路設計,シンチレータの準備などは実行することができた。また,測定装置のシミュレーションに向けての準備が進行している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

放射線測定装置開発に資する予定である。測定回路の開発を進行しており,パラメータの決定後,高圧電源や大型シンチレータを購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト「放射線から見る科学と技術の最前線」実施報告2012

    • Author(s)
      内田聡子,小鍛冶優,田村圭介
    • Journal Title

      大学の物理教育

      Volume: 18 Pages: 113-117

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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