2014 Fiscal Year Research-status Report
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24501058
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平田 浩一 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80173235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 直道 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90452698)
河村 泰之 愛媛大学, 教育学部, 講師 (80369967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 和算 / 算額 / 教材開発 / アプリケーション / 展示会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24、25年度に引き続き、平成26年度においても、伊佐爾波神社以外の愛媛県内の算額6面(太山寺、金比羅神社、大井八幡神社、大浜八幡神社、大井八幡神社、阿沼美神社)についてその現代解の資料の作成を行った。 研究論文としては、伊佐爾波神社の算額の中から2人(山崎喜右衛門と栗林佐太郎)の算額を取り上げて、当時の愛媛の和算家がどのような問題を研究していたか、その問題の難しさについて現代数学の視点から考察した論文「山崎喜右衛門と栗林佐太郎の算額問題」を分担者の河村氏と共著で日本数学教育学会高専・大学部会論文誌に発表した。その中で特に栗林佐太郎の算額の現代解については、その解法の大幅な見直しを行った。また、研究発表としては「3Dプリンターによる教材・教具の製作」と題した講演を第96回全国算数・数学教育研究(鳥取)大会において行い、算額の立体図形問題に関する立体模型の製作について報告した。 愛媛の和算・算額を紹介する活動としては、平成25年度に雑誌記事として掲載した「愛媛に現存する算額の問題の現代数学的研究、算額にみる江戸末期の愛媛和算家の数学力」をもとにして、愛媛大学附属高校において、「愛媛の文化」というテーマにて講演を行った。愛媛の算額や和算書を紹介するとともに「ひろいもの」というパズルについて解説を行った。また、小・中学校の先生方を対象とした松山市教科サマーセミナーにおいて、「数と図形の不思議」と題する講座を開講し、興味ある和算の図形問題をいくつか取り上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要で述べたように、愛媛の算額に関する研究の蓄積が進み、研究論文・研究発表も行うことができた。研究目的に掲げた教材アプリとマルチメディア教材についても研究成果があがっている。授業や講演などによる愛媛の和算と算額を紹介する活動も順調に展開できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降も研究1「中学生・高校生の教育課程にフィットする和算教材の開発」と研究2「和算学習の数学的活動を支援する教材アプリケーションの設計・開発」については、平成24~26年度と同様な計画で研究を進めていく予定である。作成した教材は愛媛和算研究会に所属する中学校と高等学校の先生方を通じて実際の授業の中で利用していただき、現場からの声をもとに教材の改善を進めてゆく。 研究3「動画等によるマルチメディア和算教材の製作と中高生向け教材展示会の開催」については、一昨年度制作した愛媛の算額の実物大カラーパネルを活用し、算額パネル展をさらに充実させ、本研究で開発する教材を積極的に活用した和算・算額教材展示会として、近隣の中学校・高等学校においても展示会を企画し、一般市民を含めて和算や算額についての啓蒙活動を行う。また、中高生対象の公開講座や出張授業、和算問題チャレンジコンクールなど、様々な機会を利用し教材の普及を図る予定である。 本研究の最終年度にあたる平成28年8月には、愛媛において全国和算研究大会が開催される予定で、その際に愛媛の和算と算額そして和算アプリ・和算教材を、全国から多数集まる和算の研究者に紹介できるよう今後もしっかりと研究を押し進めていく所存である。
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Causes of Carryover |
その他に計上していた予算の一部が消化できなかったためわずかであるが残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の研究費から次年度使用額として約3千円が繰越しされることになった。平成26年度研究費70万円と合算して研究費として使用する。2名の分担者にはそれぞれ10万円ずつ配分する。使用計画としては、物品費として34万円、国内の調査旅費として26万円、謝金とその他としてそれぞれ5万円ずつ使用する計画である。
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Research Products
(2 results)