2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24501059
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仁田坂 英二 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (60222189)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝 / 遺伝学 / アサガオ / メンデル / 組換え |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の本年度は以下の項目のアサガオ系統の育成を完了させた。 1)メンデルの基本法則を理解するためのアサガオ系統の育成: 既にヘテロ接合で維持している、柳(m-w)、獅子(fe)、牡丹(dp)、笹(dl)、渦(ct)、白子(al)、および新規に得た州浜様変異について、単一または複数の変異を保持している系統の分離比を調査し、単性~3性までのメンデル則の分離解析に対応できる系統を育成することができた。 2)特殊な遺伝現象を説明するためのアサガオ系統の育成: 補足遺伝子を説明するための系統として、遺伝子座の異なる複数の白花変異体を交配し、前年度得ていたその雑種第1代の種子を展開し、両方の変異についてヘテロ接合の株を選抜した。その結果、白花について分離比が9:7の系統が複数得られた。これは子葉軸の段階でも計数することができ、播種後1週間程度で利用可能である。同義遺伝子についても、獅子(fe)と笹(dl)、打込(cm1)を持つ系統を複合させた系統を作成し、1/16が強い表現型、残りは微弱な表現型の系統を作成することができた。中間遺伝に関しては、獅子(fe)、丸葉(Co)、マルバアサガオの白花について系統が確立し、表現型の観察も容易で教材として利用できることが明らかになった。 3)組換え現象を説明するためのアサガオ系統の育成:これまで利用していた、柳(m-w)と黄葉(y)の他に、紫(pr)と石畳(cs)、斑入(v1)と褐色種子(br)の組み合わせを持つ、組換え率計算に使う系統を育成した。また、完全連鎖の例として、黄葉と柿(dy)が連鎖した系統も育成した。 これらの系統はウェブページ上で公開し、利用方法、提供についての情報も順次掲載していく予定である。また、アサガオの既存の変異の表現型を網羅した「変化朝顔図鑑」を刊行し、これには教育目的でも有用な情報も多く掲載している。
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Remarks |
アサガオの標準系統、変異体、遺伝子情報等を網羅したデータベース。教育用のアサガオ系統についても詳細な情報を得ることができる。
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