2013 Fiscal Year Research-status Report
地域の自然環境理解に基づく大気・熱環境学習プログラムの開発
Project/Area Number |
24501061
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
飯野 直子 熊本大学, 教育学部, 准教授 (80284909)
|
Keywords | 環境教育 / 大気環境 / 大気環境 / 測定 / 観測 / アーカイブ / 教材開発 |
Research Abstract |
地域の大気・熱環境を対象として,学校現場で児童生徒や教諭が実際に身近な地域の自然環境の定点観測や調査を行い,その結果および気象・大気などに関する外部機関のデータをもとに,理科学習を活用して取り組むエネルギー環境学習パッケージを開発することを最終目的として,今年度については以下の研究を実施した. 昨年度選定した簡易測定器を用いて大気中二酸化炭素濃度の連続測定を行った.解析に利用可能なデータがおよそ1年分蓄積された.簡易測定器を用いた測定でも大気中二酸化炭素濃度の季節変化を捉えることができることを確認した. 身近な環境放射線の基礎資料収集のために,簡易測定器(GM管式とシンチレーション式)を用いた連続測定システムを構築し,データアーカイブを開始した.特徴的な放射線環境についての資料・教材作成のために航空機内や船内における空間線量率データを収集した.サポート終了となるため,今後はWindowsXP搭載パソコンが廃棄されたり利用されなくなったりすると思われる.これを有効活用して学校現場の教諭が簡易測定器による安定した環境放射線連続測定システムを構築することができるように手順書を作成した. 身近な大気の情報(大気の濁り・視程,霧や雲,火山活動など)を得るために展開している映像観測網のなかで,WindowsXP搭載パソコンを用いたオンラインシステムについてはシステムの更新を行い,連続性のあるデータが取得できるようにした. 温暖化に関する教材・資料作成のために,これまで蓄積してきた映像観測画像に写っている樹木の様子と熊本地方気象台で観測されているサクラやイチョウの観測結果を照らし合わせ,撮影画像は植物季節観測画像資料として利用可能であることを確認した.作成した画像資料およびデジタルカメラやパソコン+USBカメラを用いた連続自動映像観測システムの構築方法を小学校の教員研修会で紹介した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画にしたがって研究を実施し,実績概要欄に記載した成果が得られた.記載事項以外についても情報収集・データベース化が進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
大気・熱環境に関する基礎研究・データ収集および教材化を継続して実施する.大気中二酸化炭素濃度および環境放射線の連続測定を継続するとともに,自動車等を使用して広域の環境放射線移動測定を実施し,身近な大気環境に関する基礎情報を充実させる.加えて,近年特に注目されている微小粒子状物質の高濃度現象について解析して教材化を行うことにより,大気環境に関する教材を充実させる. これまでに作成した教材や資料,データベースを整理し,これらを有効活用したエネルギー環境学習パッケージとする.開発した教材や観測システム等を教員研修会等で紹介したり試用してもらったりして現場教員の声を取り入れた改良を行う.また,準備が整ったものから学校現場への機材貸し出しを開始する. 本研究によって収集したデータ・素材や教材などをデータベースへ追加したり,ホームページの更新を随時行っていく.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査のための出張を3月に予定していたが,天候の都合により実施できなかったため次年度使用額が生じた. 次年度予算とあわせて調査のための出張旅費として使用する.
|
Research Products
(7 results)