2013 Fiscal Year Research-status Report
理科の基本概念「地球」の再検討とその育成を図る地域教育資源の開発に関する研究
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24501068
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
下野 洋 岐阜女子大学, その他の研究科, 教授 (30142631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 弥彦 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10367245)
五島 政一 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (40311138)
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Keywords | 学習指導要領 / 地球システム / 地球概念 / 構成要素 / 時間概念 / 空間概念 |
Research Abstract |
地球概念のとらえ方として、「システム」というとらえ方をすることとした。具体的には、「地球は広大な宇宙空間の中で太陽系の一員としてよく46億年前に誕生し、太陽と地球内部のエネルギーにより複雑なシステムを形成しながら今後も変化し続けるもの」と捉えた。 理科の基本概念「地球」概念とその形成については、以下の4項目に集約して表記することとした。①構成要素「つくり」の把握:自然事象を比較・分類したり、自然事象は多種多様な構成要素からなり、階層的な構造を有していることを実感・理解する。②相互作用「働き」の働きの把握:自然事象の関連性やつながりを読み取るなどして、自然事象が太陽と地球内部のエネルギーにより互いに作用し合っていることを実感・理解する。③空間「広がり」の把握:自然事象の位置関係や構造を、野外などで直接観察したり、情報やモデルなどにより推定したりするなどして、自然事象の広大な空間の広がりの中で起きていることを実感・理解する。④時間の流れ「移り変わり」の把握:自然事象を時間の推移の中で観察したり、現在の様相を過去の様相と比較したりするなどして、自然事象が長大な時間の流れの中で変化していることを実感・理解する。 教材開発の視点として、「地球モザイク」という4つの視点を設定した。それは、「地球システム」を中心に置き、その周りに「構成要素(つくり)」、「相互関係(働き)」、「空間(広がり)」、「時間(移り変わり)」を配置したものである。この「地球モザイク」を基にして、「火山活動と火成岩」、「霧や雲の発生」などの教材事例を試行的に作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地球概念の再検討を行い、球概念のとらえ方として、「システム」というとらえ方をすることと、それらを具体的に、構成要素「つくり」の把握、相互作用「働き」の働きの把握、空間「広がり」の把握、時間の流れ「移り変わり」の把握というように示すことができた。 次に、教育資源の活用という観点から、「地球モザイク」の考え方を基に地域の素材を教材化する方策をまとめ、「火山活動と火成岩」、「霧や雲の発生」などの教材事例を試行的に作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
現行の学習指導要領に示された「地球」に関する学習内容を、先にまとめた4つの視点(構成要素、相互作用、時間的変化、空間的広がり)から整理し、本研究の地球概念と教材との関係を明確にする。次に、先に述べた4つの視点に沿って授業構築に基づいた「教材開発を進めるとともに4つの視点の有用性、有効性の検証を行う。さらに、4つの視点に沿って、小学校・中学校・高等学校を通して内容構成の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2名の研究分担者が配分額の全額又は一部を次年度にまわしたため。 2名の研究分担者は、平成26年度にこれらを旅費に組み入れて使用する予定である。
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Research Products
(7 results)