2012 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり教育への活用を目的とした簡易プラスチック成形機の開発
Project/Area Number |
24501078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
尾崎 純一 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70245976)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 工学教育 / ものづくり / プラスチック / 射出成形 |
Research Abstract |
平成24年度は,ものづくり教育で活用するために前年度までに製作した卓上型射出成形機の試作機を使って操作性および射出特性の評価を行い,改良機の構想,設計,製作を行った.設計した射出成形機は門型構造にして試作機よりも構造的に剛性を上げつつ,持ち運び可能な大きさかつ移動可能な重量(約20kg)になるよう設計している. 製作した装置の概要は以下の通りである.動力は手動であり,装置全体の部品点数(金型除く)は約30点程度で比較的シンプルな構造となっている.樹脂の射出はピストンの上下移動により行う.ピストンの上下移動にはラック&ピニオンを用いており,ハンドルレバーを下げることで歯車を介してラックと連結したピストンが下降する構造となっている.樹脂は加熱溶融され金型内へ樹脂を流し込む.1回に射出できる樹脂容量は約20ccで小物パーツ程度の大きさであれば成形が可能である.なお,射出圧力は約10MPa程度まで上げられるようにレバー長さを設定している.材料(樹脂ペレット)はシリンダ背面にあけられた材料投入口から投入できる.シリンダ内に充填された樹脂はシリンダ外周に取り付けられたシリコンラバー製のヒータにより加熱される.ヒータは温度調節器を使って温度管理できるようになっている. 現在は改良機の部品加工をほぼ終えて組立て調整を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに,新たな射出成形機の設計および製作までほぼ終えた段階であり,達成度は本研究計画全体の約2割程度といえる.現在,製作している成形機の部品加工に不具合があったため,その修正を行っているところであるが,当初の予定では製作した成形機の動作確認を行った後に,もう一台成形機を製作する予定であったが,今年度設計製作した成形機の動作確認が完了していない状況であり,少し研究の進捗が遅れている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,現在製作している射出成形機を早急に完成させ,性能評価および操作性の検証を行う予定である.そして,さらにもう1台の設計製作を行い成形機をものづくり教育で十分活用できる状態まで完成度を高めたい.また,射出成形機の製作と並行して射出成形用の金型を簡便な方法で製作する手法を開発する予定である.具体的には,金属ではなく石膏やセメントを用いて製作可能な金型を考えており,これらの材料を用いて金型を製作する場合の最適な条件(水分,温度,処理時間など)を見い出し,誰もが簡単に造ることができる簡易金型作製プロセスの確立を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,当初の予定より研究の進捗が遅れたため,成形機をさらに1台製作するための材料,部品等の購入を行わなかった.このため当初予算に比べて支出額が少なくなり予算が余ることになった.そこで平成25年度は,平成24年度の予算を繰り越して昨年度購入できなかったもう1台の成形機の材料等を購入し製作する予定である.さらに,金型の簡易作製プロセスを検討するために,金型に用いる材料(金属,石膏,セメントなど)を購入するとともに,金型作りに必要となる設備およびその材料や工具等の購入を予定にしている.また,これまで実施してきた研究成果について学会発表を行うための旅費についても支出を予定している.
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