2014 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災被災地域における地学学習内容の検証と再構築
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24501089
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
川村 寿郎 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60186145)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 地学学習 / 被災地 / 理科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,東日本大震災被災地域の小中学校における地学の学習内容について検証し,被災地に適合し改訂した学習内容として再構築して,実践的に普及することを目的とする。平成26年度は,以下の点が実績としてあげられる。 1.被災地域の小中学校における地学学習内容について,平成25年度から引き続き、担当教員からの聞き取り調査を行い、地域の地学特性の再認識に対する強い要望が認められた。 2.仙台地域を例として、研修会などで要望の多かった活断層(長町-利府線断層)に関する教材を検討した。児童・生徒が活断層の動きと地震の発生を理解するためのアニメーションを試作した。 3.岩手県・宮城県の沿岸被災地において,地学学習内容に加えるため,津波のほか,地震動・液状化・地盤沈下とともに、地形特性(特に沈降海岸)や地質特性(南部/北部北上帯),さらには各地域に応じた防災学習に関する資料の収集を平成24年度から継続して行った。代表的な地質特性を示す気仙沼地区の石灰岩の学術資料を論文としてまとめて公表した。 4.宮城県の沿岸被災地域において,小中学校理科担当教諭及びジオパーク担当者を対象とした研修会・講習会を実施し,地域の地形・地質特性と今後の地学学習内容の展開方法について解説した。 5.仙台市でのこれまでの復興の歩みを紹介するDVD(仙台市中学校長会・宮城教育大学教育復興支援センター)の制作に協力し、被災地域における地学学習モデルの中から、特に地震や津波の発生と地形特性に関する学習内容を盛り込んだ。このDVDは、仙台市内全小中学校と宮城県内全中学校に配布され、平成26年3月の東日本大震災鎮魂行事に合わせて、各校で上映紹介された。また、平成26年3月14-18日に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議のパブリックフォーラムのブースで上映紹介された。
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