2012 Fiscal Year Research-status Report
技術的素養を習得・涵養する学習過程のモデル化に関する理論的・実践的研究
Project/Area Number |
24501101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 親彦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20374811)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 技術教育 / 技術的素養 / 授業展開 |
Research Abstract |
平成24年度は,中学校技術・家庭,技術分野(以下,技術科)の授業実践において,技術的素養の効果的な習得・定着を図る学習過程に関する理論的検討を行うことを試みた。そのため,技術科の指導書に記載されている授業展開案の分析を行った。 【分析1】では,1998年版と2008年版の学習指導要領に準拠して発行された技術科の指導書の特徴を検討した。その結果,各出版社の1998年版と2008年版で共通性のある学習活動の展開が認められた。また, 2008年版は,[ウ)思考・判断]への関係性が強い授業展開案が多く示された。【分析2】では,対象とした指導書に示される授業展開案の「全対象データ」の傾向を検討した。また,内容の対象である「A:材料と加工に関する技術」「B:エネルギー変換に関する技術」「C:生物育成に関する技術」「D:情報に関する技術」毎にその特徴を検討することを試みた。その結果から,「全対象データ」の授業展開案の順序関係の傾向が推察された。また,各内容の特徴から,[オ)製作活動]を経て『授業のまとめ』へと至る展開と,[ア)知識]などから至る展開があることがわかった。【分析3】では,技術分野の内容の構成である4つの枠組みによる授業展開の特徴を検討した。その結果,「I:ガイダンス」では[エ)伝達],「II:技術」では[ア)知識],「III:評価」では[ウ)思考・判断],「IV:ものづくり」では[オ)製作活動]が中心となる学習活動であることが示された。【分析4】では,ガニェの「学習成果の分類」を参考に授業の目標を分類し[3],授業展開案の特徴を検討した。その結果,「知的技能」を学習目標とする授業展開案では[ア)知識],「認知的方略」では[ウ)思考・判断],「運動技能」は[オ)製作活動],「態度」は[エ)伝達]を中心とした順序関係が導出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中学校技術・家庭,技術分野(以下,技術科)の授業実践において,技術的素養の効果的な習得・定着を図る学習過程に関する理論的検討を行うことができ,次年度からの実践的研究の基礎的知見を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の検討・分析結果に基づいて,技術的素養を習得・涵養する学習過程を含んだ授業を構想・実践する。授業を実践する技術科の協力教員(4名程度)を設定・依頼する。技術的素養を習得・涵養する学習過程を含む授業の内容について打ち合わせを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には,「「技術的素養」を習得・涵養する学習過程の整理・モデル化」と「学習過程を含んだ授業実践の計画」を予定している。 そのための設備備品費として,構成するモデルを洗練させる資料を得るため(技術教育関連図書)を計上した。また,実践校の教員との綿密な打ち合わせが必要であると考え,(授業計画・実践打ち合わせ)のための旅費を計上した。また,この際の打ち合わせと次年度の授業実践を記録する(ディジタルビデオカメラ)を計上した。さらに,実践校に不足する材料や設備を整えるための(授業実践の教材費)を含めた。
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