2013 Fiscal Year Research-status Report
小学校・中学校理科授業構成への大学による生物教材支援基盤の確立とその有効性の検証
Project/Area Number |
24501104
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
西野 秀昭 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (40198487)
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Keywords | 観察・実験 / 生物教材 / 小学校 / 中学校 / 理科授業 / 支援 |
Research Abstract |
小学校・中学校の理科・生物分野の授業では,生物教材の実際的な観察・実験を通じて,子ども達が自ら立てた仮説を科学的に検証ができ,生命尊重の考えを持て,自然のしくみ理解へ通じるように構成されていることが大切である。そこで,小学校・中学校の教師が観察・実験への生物教材の導入に困難を感じている現実に対応するため,生物教材の支援基盤を大学に確立できることを実証することを本研究の目的とした。そのため,生物教材を授業へ導入しやすい体制を整え,地域の小学校・中学校への実質的な支援をもって観察・実験の実施を促し,その効果を検証する事で大学による支援効果を定量的に認識・確立し,地域教育貢献者としての大学の新たな役割を明確にできる先進的モデル研究を目指した。平成25年度は,平成24年度の成果を踏まえ,次の研究内容を実施した。 (1)アンケート調査結果を基に開発した生物教材を,地域の小学校・中学校へ希望に基づいて提供し,その効果を検証するパイロット研究とした。その結果,これまでの生物教材では得にくかった観察・実験の考察につながる結果が得られたとの回答が支援を受けた教師から提示された。 (2)地域でのパイロット研究で得られた成果を基に,生物教材支援のパンフレットと支援申し込み用紙を作成し,福岡県の三つの自治体の小学校・中学校の学校長及び教務主任宛に配布した。小学校が合わせて46校,中学校が合わせて16校に平成26年度の生物教材支援事業の案内として3月中旬にお届けした。平成25年度末の段階で,パイロット研究を行った学校以外に,小学校5校、中学校1校から生物教材支援要請が寄せられており,これまでのアンケート調査で明確になった困難な生物教材が支援の対象になっていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想以上に経費がかかることから,福岡県の広域における生物教材支援から複数の自治体の小学校・中学校への支援となったが,これは予想以上に支援要請があったことによるもので,支援の効果も得られており,ほぼ順調に研究の目的は達成されてきていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロット研究として生物教材支援を行った小学校・中学校での観察・実験実施の成果を基に,他の小学校・中学校へ支援を広げていく。そしてより実際的な支援の効果を検証できる事後アンケート調査を実施する。教師による感想とともに,数値化したデータから大学による生物教材支援がもたらす小学校・中学校の教師及び子ども達への効果を明らかにする。また,本事業によって生物教材を教師自身が準備できる資質の向上に繋がったかも検証し,教師の自立を促す本来の目的がどのように達成されたかも検証する。
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