2014 Fiscal Year Annual Research Report
恐竜化石を活かした自然史リテラシーの涵養と環境教育への展開
Project/Area Number |
24501107
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
佐藤 裕司 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (80254457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 久美子 兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 主任研究員 (20311483)
池田 忠広 兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員 (50508455)
三枝 春生 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (70254456)
古谷 裕 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (90173541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自然史 / 科学リテラシー / 恐竜化石 / 生涯学習 / 環境教育 / 地学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、兵庫県立人と自然の博物館(以下、「博物館」)が実施してきた恐竜化石の発掘調査を基軸とした生涯学習プログラムと地域づくり支援について、その効果を検証し、自然史の知見を持続可能な地域づくりをめざす環境教育へと展開させることを目的とする。 本年度は篠山層群産出の脊椎動物化石研究で大きな成果があった。一つは、2014年7月に公表した丹波竜の新属・新種(Tambatitanis amicitiae gen. et sp. nov.)の記載論文であり、もう一つは2015年1月に公表した新種のトカゲ化石(Pachygenys adachii sp.nov.)の論文である。また、これらの化石研究を支えるクリーニング技術者の育成方法についても論文発表した。 古生物学上の研究成果を自然史リテラシーの涵養と環境教育に活かすために、自然史に無関心な市民層への動機づけとなるエデュテインメント(楽しみながら学べる)プログラムの実践に取り組んだ。上記の学術研究成果の臨時展示を開催し、それに合わせて研究員による展示解説、恐竜化石やアンモナイト化石を用いたワークショップを博物館のオープンセミナーとして実施した。恐竜の骨化石レプリカや歯化石の拡大レプリカなどの教材を用いて、昨年度に小学校6年生理科の単元「大地のつくり」における授業を企画・実践した。授業では、大地の営みがもたらす「恩恵」と「災い」の二面性を伝えることを主眼に、「恩恵」の側面において子どもたちの知的好奇心を喚起する素材として恐竜化石を活用した。授業においてアンケート調査を行い、児童より評価を得た。今年度はその実践内容と調査結果を日本環境教育学会、日本地学教育学会および兵庫県立大学環境人間学フォーラムで発表するとともに、博物館の研究紀要に公表した。
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