2014 Fiscal Year Annual Research Report
流体力学に関する誤情報の拡散とその防止法に関する研究
Project/Area Number |
24501111
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石綿 良三 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (00159790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 陽一 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (50210349)
根本 光正 神奈川工科大学, 工学部, 助教 (90085134)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 科学教育 / 流体力学 / 流れ / 科学入門書 / 科学実験 / 原理の誤認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、一般向け科学入門書および物理学の教科書等における流体力学に関連する原理の誤認識の拡散実態を調査するため、平成25年度までの書籍に加えて、一般向け科学入門書を中心に新規に46冊(121項目)について調査・分析を行った。原理的な明らかな間違いは7項目(5.8%)であり、以前に比べて間違いの率が減少している傾向が見られた。ただし、50年以上も前からある翼の原理の間違いは依然として見られた。間違いの減少が見られたことは、誤認識の修正が行われたことも一部にあるが、それ以上に誤認識しやすい現象(翼、霧吹き、噴流の圧力など)が取り上げらる率が減っていることに起因していると考えられる。過去に誤認識している率が多い現象が取り上げられなくなっているのは、間違いの指摘も増えてきて著者が自信を持てないことは記載を避けた(翼など)、時代の変化により関心が薄れた(霧吹きなど)、あるいは短期間の発行で母数が少なく統計的でないことなのかは確定できていない。 研究期間全体を通して、科学入門書および物理学の教科書を中心に誤情報の拡散実態とその拡散メカニズムを調査・分析してきた。誤情報が伝達・拡散する原因は、著者の知識・理解・確認不足、他者の記述を鵜呑みにすること、正誤は別にして簡明な説明は伝達されやすいこと、平易な説明のあまり意図が誤解されることなどである。 誤認識の伝達・拡散を防止するためには学会など公的な専門家集団による組織的な対策が有効と考える。その一例として、日本機械学会流体工学部門ホームページ上の実験動画公開「楽しい流れの実験教室」(http://www.jsme-fed.org/experiment/index.html)を行い、平成26年度の年間アクセス数が約3万8千件を超え、一部の効果は出始めていると考える。
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Remarks |
日本機械学会流体工学部門において実験動画を公開し、現在100件を超えた登録を行っている。平成26年度は約38,000件のアクセスがあった。
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Research Products
(6 results)