2013 Fiscal Year Research-status Report
文脈に基づいたアプローチによる粒子の量概念の育成プログラムの開発と評価
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24501113
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (40200951)
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Keywords | 化学教育 / 教師教育 |
Research Abstract |
最新の文脈に基づくアプローチであるドイツのCHemie im Kontextプロジェクトの報告書等の文献調査による問題点を現地調査で明らかにした結果に基づき,日本における実践の問題点を分析した。その結果,日本において学習指導要領の関係もあり,内容的にはそのままでは実践不可能であるため,分析したテキストと要素的に類似性が高い小学校6年生「もののもえ方」を対象として,共生的戦略といわれる教師教育の方針およびその具体的な方法であるSETを利用して試行授業を試みた。そのために,当初予定していた内容を変更した。また,SETは理科教科教育専門家(研究代表)現場教員(附属小学校教師)マネージャー(研究代表指導学生)としてメンバーを構成し,授業デザイン,教材開発,評価問題開発等を実施した。その結果,全体的には現場教師も新しい教育法を理解しやすく,学習者(児童)の感想等の質的な評価は良かった。しかし,認知面および情意面の量的な評価は明確な結果はでず,評価方法の課題があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)プログラム開発:ドイツのCHemie im Kontextプロジェクトの報告書および現地調査より明らかになったことにより日本における実践の問題点を分析した。その結果,訳出したテキストをそのまま使うことは不可能であるが,要素の組み合わせにより実践が可能であることが明確になった。そこで,要素的に類似性が高い小学校6年生「もののもえ方」を対象として,研究対象を変更して1)児童用テキスト2)指導者用資料3)実験を開発した。また,共生的戦略の実践型であるSETを研究代表,指導学生,付属小学校教師で組み,予備実践をした。 (2)評価問題の開発:上記の実践を評価すべく評価方法を作成した。全体的には現場教師も新しい教育法を理解しやすく,学習者(児童)の感想等の質的な評価は良かった。しかし,認知面および情意面の量的な評価は明確な結果はでなかったので,特に理科に対しての好感度や理解度の自己評価方法の検討を行い,方法論の検討をした。 (3)成果学会発表:雑誌論文として2報,学会発表として6報を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)調査方法の改善:認知面および情意面の量的な評価は明確な結果はでなかったので,特に理科に対しての好感度や理解度の自己評価方法の検討を行い,さらに方法論の検討をする。 (2)開発プログラムの実践・評価・公開をする。 (3)文脈に基づくアプローチのCHemie im Kontextプロジェクトに加え,この進化形である統合理科であるNawiおよびNawiaktivプロジェクトについて,文献調査および現地調査を実施する。また,プログラム開発を当初の粒子の量概念への適応を文脈に基づいたアプローチとして検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究対象分野が中学校高校から小学校になったため,遠方の学校ではなく近隣の附属小学校で実践ができ,交通費や謝金が大幅に抑えられてた。これに加え,小規模で授業や調査であったため,大量の印刷が不要になった印刷経費や人件費・謝金が予定より低くなった。 以下のような使用計画がある。 (1)文脈に基づくアプローチのCHemie im Kontextプロジェクトに加え,この進化形である統合理科であるNawiおよびNawiaktivプロジェクトについて,文献調査および現地調査を実施する。(2)プログラム開発対象分野を増やし,実践および調査を重ねる。(3)成果の発表を増やすように,学会への参加を増やす。
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