2012 Fiscal Year Research-status Report
新しい中学校英語教科書に準拠した手話教材開発の研究
Project/Area Number |
24501125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
松藤 みどり 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30271464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 和彦 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80331304)
馬場 景子 日本福祉大学, その他部局等, 非常勤講師 (80424943)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アメリカ手話 |
Research Abstract |
平成24年度から中学校の英語の授業が週3回から4回に増え、3年間で学習する語彙もおよそ1000語から1200語に増えた。聴覚障害児が最も困難を感じている英語学習には、英語の単語を手話で表現することが有効な手段の一つである。 本年度は検定教科書の1つであるNew Horizon English Course(東京書籍)1年~3年で使用されている英単語および熟語を、アメリカ手話を熟知している日本人聾者2名の研究協力者に表現を確定してもらい、そのうち1名による動画を本学スタジオで撮影した。手話の確定にはThe Comprehensive Signed English Dictionary(Bornstein他 1983 Gallaudet University Press子供向き、語彙数約3000)を基本資料として参照し、Signing Exact English(Gustason他 1993 Modern Sign Press 語彙数約4400)も適宜参照した。 撮影には夏期および春季休業期間を宛てたが、手話の確定に予想以上の時間がかかった。撮影は松藤が担当し、研究分担者大塚和彦の指示により、研究補助者が画像の切り出し作業に入ったところである。この間、研究分担者である馬場景子氏にも来学してもらい、ドットコード作成のための画像について協議した。画像の撮影が予定より遅れたためドットコードの作成は次年度に回すことになった。 New Horizon English Course(東京書籍)1年~3年のデジタル教科書を購入したので、授業展開の中でどのように手話単語を活用するかについても検討できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
約1200語の英語をアメリカの手話単語で表現してもらい、撮影する作業は一通り終わった。切り出し作業に入ったところであるが、ドットコード作成には着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
画像の切り出しを待って、ドットコード作成のための業者選定も含めて検討する。 個々の単語への音声の付与、SignWriting記号の付与、和文による手話の記述を当初の予定通りに進める。 途中経過だけでも全日本聾教育研究会、特殊教育学会、電子情報通信学会などで発表する。 最終年度には語彙だけでなく、ゲームおよび授業場面での使用例の提示を含んだコンテンツおよび高等学校における英語による授業で用いることのできるClassroom Englishの手話版も作成し、一つのコンテンツとして聾学校等に配布できるようにする。 研究成果はThe Association of College Education:Deaf & Hard of hearing (ACE-DHH)等の海外の学会でも発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度はアメリカ手話に精通している国内の聾者2名に研究協力者として手話表現の確定および撮影のモデルを依頼した。2名とも職業を持ちながら大学院で研究する立場にあり、まとまった時間を調整して取るのが困難であった。夏休み(8月)と春休み(3月)にそれぞれ数日かけて撮影を行った。撮影のやり直しが3月末日までかかったため、画像の切り出し作業とドットコードの作成には次年度に持ち越すことになった。 次年度使用額(924,020円)の大半はドットコードの作成を業者に依頼する費用に使用する予定である。読み取り用の特殊なペン(手話ペン)等の付随する器具の購入費用もこれに含む。 25年度は画像を切り出し、手話の単語に音声を付与してDVDなどの電子媒体で読めるようにする。また、紙媒体ではSignWritingによる記号、静止画像、和文による解説を付与し、さらにドットコードを付与して手話ペンで読めるようにする。次年度分の直接経費(800,000円)はこの作業の短期雇用者の謝金に大半を使用する。残りは発表や打ち合わせおよび試用調査のための旅費に使用する予定である。
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