2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯 聡 京都工芸繊維大学, 伝統みらい教育研究センター, 特任教授 (70456903)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 包丁研ぎ / 調理師 / 習熟 / 自習 / 技能伝承 / 伝統産業工学 |
Research Abstract |
日本料理職人にとって包丁は最も大切な道具のひとつである。包丁の切れ味は料理の味や見栄えに大きく影響を及ぼす。このため包丁研ぎ技術は日本料理職人にとって非常に重要である。これまで非熟練者が包丁研ぎ技術を習得するには、熟練者の動作を見てまねるしか方法がなかった。そこで本研究では、非熟練者が包丁研ぎを自習できる「包丁研ぎ技能伝承・習熟教育自習ツール」を開発することを目標とする。 平成24年度は調理師専門学校の日本料理担当教員が手本となり、薄刃包丁の研ぎ方を説明した動画を作成した。動画の内容は、包丁研ぎを行う際に必要な下準備、研ぎを行う際の姿勢、包丁の持ち方、包丁の動かし方、仕上がりの見極め方等である。手本となる教員の動きや口頭での説明に加え、文字やイラストでの説明も加えた。 さらに、調理師専門学校の日本料理担当教員らからなる熟練者および調理師専門学校の学生らからなる非熟練者の薄刃包丁研ぎ動作の三次元動作解析、筋活動測定、圧迫力の測定を行い、熟練者と非熟練者の差異を明らかにした。 圧迫力の測定を行うことで、これまで口頭では伝わりにくかった包丁を押す力加減や砥石を使用する面積が容易に明らかになることから、自習ツールには圧迫力を測定するためのフォースプレートを組み込むことが決定した。また、熟練者群においても経験年数や体格により包丁研ぎの動きに差異があることが明らかになったため、本研究では協力者の中でも最も経験年数の長い熟練者を手本として自習ツールの製作を進めることが決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度前半は包丁研ぎ技能伝承・習熟教育自習ツールのシステム開発を行う。平成25年度前半は、自習ツールを調理師専門学校に設置し、学生に実際に使用させ、逐次システムの改良を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:技能伝承・習熟教育自習ツールのシステム用ソフトウェアおよび消耗品を購入する。 旅費:学会発表に使用する。研究打ち合わせに使用する。 人件費、謝金:研究補助アルバイトを雇用する。 残額が生じた状況:学会開催場所が近隣であったため、当初の予定よりも旅費の使用が少なかった。残額は平成25年度に研究補助アルバイトへの人件費として使用する。
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Research Products
(2 results)