2013 Fiscal Year Research-status Report
電気・電子回路学習のための座学・実験・eラーニングによる連携教育システムの開発
Project/Area Number |
24501143
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
真田 博文 北海道科学大学, 工学部, 教授 (80250512)
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Keywords | moodle / HTML5 / JavaScript / 電気回路 / 仮想実験 / タブレット |
Research Abstract |
(1)ITに携わる技術者を目指す学生にとって,ソフトウェア,ハードウェア,ネットワークの各分野をバランスよく学ぶことが重要である.しかしながら,学習初期の段階ではそれらが連携してシステムが構築されることをイメージしづらく,高学年で組込システム開発等に関する授業を受講する段階になって学生が自らの知識不足,技術不足に気がつく場合も多かった.平成25年度の研究では,初心者であっても比較的容易に機器の制御やセンサからの情報取得,ネットワーク,プログラミングを組み合わせて体験することができるArduinoを中心とした教材を開発し,低学年向け実験を行うことを計画,実行した.これにより各分野をバランスよく学ぶことの重要性を認識してもらうとともに,その後の学習を進めて行く上での動機付けとなることを目指した.半期終了後のアンケートでは目的達成に肯定的な結果を得た. (2)回路系科目を学ぶ場合,テキストに記載された数式や図表のみだけでなく,仮想実験を行い,現象を観察しながら学習を進めることができれば理解に役立つと考えられる.従来から様々な工学分野でコンピュータ支援型学習が試みられているが,学生にとってPCやタブレット端末の所有が一般的になっている状況から,更なる発展が期待される.現在広まりつつあるHTML5は描画機能が強化され,JavaScriptとの連携によりブラウザさえあれば仮想実験環境を構築可能である.したがって,PCやタブレット端末が混在する環境下において共通プラットホームとして期待できる.平成25年度の研究では,HTML5とJavaScriptを用いて,授業や自学自習の中で利用するための電気回路学習支援用仮想実験用ソフトウェアの試作を行った.PC,タブレット端末での動作が可能であり,電子テキストとも親和性の高いソフトウェアが実現でき,処理速度も含めて十分に実用的であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,電気回路・電子回路分野を対象とした,座学・実験・e-ラーニング連携型教育教材の開発を目的としている.この目的を達成するために,(1)電気・電子回路学習用シミュレーションソフトウェア開発,(2)実験で利用する電気・電子回路学習教材の開発,(3)モバイル端末を利用した自学自習支援システムの開発,(4)コンテンツマネージメントシステムとしてMoodleを利用した教材体系化を計画している.これら(1)~(4)のすべての項目に関してほぼ予定通りに開発や実証実験が進んでおり,今後は,その改良を進める段階に達している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,「タブレット端末を利用した自学自習支援システムの運用」「Moodle上での教材体系化と運用実験」を主たる研究課題と予定している.既に10人程度のユーザによる予備的検討を進めているが,平成26年度はより大規模で,より実践的な運用実験を行う. また,学習用ソフトウェア,実験用教材については引き続き改良を進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電気電子回路実験用機材の本格導入が予定より遅れていること,旅費の支出が予定より少なかったこと,より適したタブレット端末選定のため,その導入を段階的に行っていることがあげられる. 電気電子回路実験用機材の本格導入,学習支援サイトの運用実験に向けてタブレット端末の最終的な導入を行う.また,情報収集,成果発表のため国内外での学会に参加する.
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Research Products
(8 results)