2012 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用した「ジェネリックスキル」の効果的育成に関する調査研究
Project/Area Number |
24501146
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
青木 久美子 放送大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90392290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中平 勝子 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80339621)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ジェネリックスキル / 学士力 / 学習アウトカム / ICT / 情報通信技術 / 遠隔教育 / コンピテンシー |
Research Abstract |
本研究においては、近年大学教育の分野で議論され始めているジェネリックスキルについて、海外の先進的な大学において、それが学習アウトカムとしてどのように定義され、特に、情報通信技術(ICT)を活用した遠隔教育やブレンデッドラーニングを行う中で、そういったジェネリックスキルの育成が、どのような形でカリキュラムや授業に組込まれており、そのためにどのようなシステムやツールが活用されているのかを調査し、今後、日本の大学や学部においてジェネリックスキルを育成していく方針や戦略・方法を考えるにあたって、参考とできるような資料を作成することにある。平成24年度においては、高等教育レベルでの教育達成目標としての「ジェネリックスキル」に関する諸外国の報告書や論文等の文献に関する情報収集を行った。当該年度においては、特に、OECDのAHELO、欧州連合の生涯学習のための主要コンピテンシーの欧州枠組み(European framework for key competences for lifelong learning)とチューニング・プロジェクト(Tuning Project)、英国の主要なスキル資格(Key Skills Qualifications)、米国の学位資格プロファイル(Degree Qualifications Profile )と必要なスキルの獲得に関する委員会(The Secretary's Commission on Achieving Necessary Skills, SCANS)、それに21世紀型スキル(21st Century Skills) に関する情報収集を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度達成目標に関しては、(1) 高等教育レベルでの教育達成目標としての「ジェネリックスキル」に関する諸外国の報告書や論文等の文献を検索、入手する。これにあたって、英文で入手ができなかったものに関しては翻訳を依頼する。その後、入手した文献を読解する。(2) 諸外国の「ジェネリックスキル」を、日本で定義されている「学士力」にマッピングする。 (3) インターネット上での検索、および、国際会議参加により「ジェネリックスキル」育成のための諸外国の高等教育機関での取り組みに関する情報を収集する。また、この中で、情報通信技術(ICT)等を効果的に活用し、先進的な実践事例だと思われるものを選定する。 (4) 各取組の責任者に連絡を取り、ネット等で情報収集した上で、訪問調査を依頼し、実際にその責任者、又は関係者に会い、対面インタビューによる更なる情報を収集する。情報収集あたっては、組織体制、カリキュラム、学習目標、ラーニングデザイン、活用されているシステムやツール、評価基準や方法、の各側面において、まとめられるようにする。 (5) (4)で収集した情報を実践事例として体系的にまとめる。(3)~(4)を繰り返し、北米、英国、東アジアにおける実践事例をまとめる。 というものがあった。 実際には、欧州、英国、米国における「ジェネリックスキル」に類似した概念を取り扱う報告書等の収集を行い、それを、読解し、学士力へのマッピングを行っているところである。また、具体的に21世紀型スキルの育成を行っている米国の教育機関を訪問しインタビューによる調査も行った。このトピックに関しては動向が激しく、一度情報を収集してしまえばそれでおしまい、というものではなく、日々情報が追加・修正されているため、申請書で記述した目標の7割が達成できたと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述したように、このトピックでの動きは激しく、世界各国で新規プロジェクトが次々と立ち上がっているため、最新の情報を常に収集していなければならない。今後も継続して、ネット上、及び、国際会議等における情報収集、また、文献を詳細に読み込んで相互に関連付けてまとめていく作業が必要となってくる。今後は、こういったスキルやコンピテンシーに関する情報のみならず、その育成に注力している教育機関の選定も行っていくと同時に、一般公開された情報のみでは不明な部分を明確化して、訪問調査により更なる情報を集めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ジェネリックスキルに相当するコンピテンシーやスキルの育成の実践事例を収集するため、主に海外機関訪問調査のための旅費にあてる。その他、調査に必要な消耗品、資料整理のための補助謝金、そして国際会議参加費等が研究費使用の対象となる。
|
Research Products
(6 results)