2013 Fiscal Year Research-status Report
論理的思考力の獲得を目指した初年次教育のカリキュラム及び教材の開発・実践
Project/Area Number |
24501157
|
Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岡部 由紀子 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (10281495)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正行 京都外国語大学, マルチメディア教育研究センター, 准教授 (30351258)
梶川 裕司 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40281498)
國安 俊彦 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40352926)
早瀬 明 京都外国語短期大学, キャリア英語科, 教授 (70310638)
畑田 彩 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90600156)
高島 知佐子 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (70590404)
|
Keywords | 初年次教育 / 文章作成 / 論理的思考 |
Research Abstract |
本研究課題のメインの対象授業となる「基礎ゼミナール」について,年間通して14回のミーティングを行い,授業目標の決定,カリキュラムの設計を行い,各回の授業案の作成を行った.また,合わせて授業で利用するワークシートなどの教材も作成した.2月からは授業を行う教員に対しての研修を全体に3回,補足的に2回,合計5回実施し,組織的に授業を行うための方略について検討した. カリキュラムを設計する際に,ピアワークを行うこと,統一課題と自由課題の2回文章作成を行うことを取り入れることで,他者の視点,自己の振り返りを意識させ,文章能力の向上を図ることを試みている.また,2回目の授業で自己PRを書かせた上で14回目の授業でエントリーシートを書かせることで文章の変化を調べることも狙っている. また,並行して,平成25年度に実施された授業「情報技術の実践」の4クラスにおいて,生の自律的な学習を促すことを目指し,学習目標となる課題の評価基準を学生が作成する授業をデザインした.その実践において,(1)授業で作成された評価基準の妥当性の確認,(2)学生が評価基準を用いて取り組んだ課題の評価,(3)自律的な学習態度の変化の調査,を行った.その結果,(1)授業で作成された評価基準は論証文の評価基準として問題ないこと,(2)教員による評価は形式と内容ともに大きく向上したとはいえない,(3)プランニングやモニタリング方略に対する学生の意識は上昇した一方,主体的な授業態度に関しては低下していたこと,が明らかとなった.これらについては,今後より詳細な分析を行う予定にしている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の申請書に書いていた5つのフェーズについては,別々の授業実践を対象にしたものではあるが,一通り実施している.ただ,「基礎ゼミナール」については,(4)実践「授業の組織的運営」(5)評価「教育効果の測定」は今年度はまだ実施しておらず,平成26年度に実施することになる.その点から,若干遅れている,と判断した. ただ,平成26年度に「基礎ゼミナール」を45クラス,32名の教員で実施することになっており,5つのフェーズをすべて実行することができ,これまでの実践研究を踏まえて評価できることから,本研究課題の遂行については問題ないと考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に開発したカリキュラム,教材,授業案に基づいて,平成26年度に「基礎ゼミナール」45コマを実践する.その授業実践を対象にして,学生の文章作成能力および自己調整学習能力の向上について質問紙調査を行い,分析を行う.また,32名の教員に対しても質問紙調査およびインタビュー調査を行い,カリキュラムや授業案に関する評価を行う. また,平成26年度の実践を踏まえて,これまでに開発してきたカリキュラム,教材,授業案をまとめて,学生用のワークブック,教員用の授業用マニュアルを作成する. 分析結果について日本教育工学会や初年次教育学会などで発表を行うとともに,本研究課題の成果を広く活用してもらえるように報告書を作成する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に教材開発、カリキュラム開発に重点を置いて研究を遂行したことから、予定よりも調査や中間報告の旅費の利用が少ない結果となった。 平成26年度は、これまでに開発した教材やカリキュラムに従って授業の組織的運営を行っていく段階であり、授業分析や評価を行うための備品や研究補助の謝金、その成果を外部に報告するための旅費に使用する予定である。
|
Research Products
(6 results)