2013 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語活動における教授ツール・評価ツールとしてのポートフォリオの活用
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24501181
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
北條 礼子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50199460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 邦守 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90584160)
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Keywords | 小学校外国語活動 / ポートフォリオ / 文字指導 / フォニックス / 教授ツール / 評価ツール |
Research Abstract |
本研究は最終的には、①自律的学習態度を養成する教授ツールとしてのポートフォリオと、外国語活動の評価の参考になる評価ツールとしてのポートフォリオの効果を明らかにすること、②高学年児童の知的好奇心に合致した英語の文字指導に関する外国語活動プログラムの作成を目指している。 平成24年度実施のポートフォリオを活用した外国語活動のトライアル版の実施結果に基づいて、実験協力校である上越教育大学附属小学校において、平成25年10月から平成26年2月まで同校高学年5年生、6年生各2クラスを対象にポートフォリオを活用し、読み書きを取り入れた外国語活動を実施した。同活動の内容は、5年生ではフォニックスのルール(2文字子音・連続子音)を読む活動,読んだ単語を書く活動、ディズニー映画などのセリフを用いて生きた英語に触れる活動プログラムを開発した。6年生では他教科関連の内容を取り入れ、聞くこと,話すことに加えて読むこと・書くことを含む文字指導を取り入れた外国語活動プログラムを開発した。5年生・6年生とも中間と終末期にポートフォリオのカンファレンスをそれぞれ2度実施した。5年生のポートフォリオからポートフォリオが自分の学習の振り返りに有効であったこと、仲間の発表や自分への評価を聞くことで自分のさらなる意欲が高まったことが示された。また5年生の活動内容については、書く活動が最も役に立ったと思う活動であったとの反応が得られた。さらに、6年生のポートフォリオによる児童の振り返りを見ると、児童は活動の目標である既習の知識の活用や他教科関連の内容を毎時意識して授業に取り組めたとの感想が得られた。特に、ガイドラインを活動前に提示し、時間をかけて丁寧に説明したことにより、活動の学習目標が児童にとってわかりやすいものになり、6年生は学習目標にに準拠した振り返りが可能となり、個人の学びを深めることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、平成24年度のトライアル版に基づく、高学年5・6年生を対象としたポートフォリオを活用し、文字指導を内容とするた外国語活動プログラムを作成した。両学年とも中心となる活動内容は文字指導である。まず本研究の第一の目的である,教授ツール、評価ツールとしてのポートフォリオの役割と可能性を確認することができた。次に第二の目的である文字指導を取り入れた外国語活動プログラムを作成することができた。以上のように平成25年度の目的を達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、上越市、または上越市近隣の一般校において、ポートフォリオを活用した外国語活動を実施し、平成25年度までの研究経過の一般化を図ることを目的としている。ただし、一般校において予定していた研究協力者がポートフォリオを活用した外国語活動の実施が困難な場合も想定される。その際は、平成24・25年度の研究協力校である上越教育大学附属小学校において協力を得て、ポートフォリオの適用法や活用用のさらなる可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「人件費・謝金」「その他」の支出がなかったことについては、予定していたデータ入力など、アルバイトを依頼するまでもなかったことや、新しい統計ソフトが必要とならなかったことが理由である。「旅費」の残高が多いことについては、研究分担者が平成25年度に予定していた海外視察が十分に実施できなかったことが主な原因である。 旅費については、平成26年度には研究分担者はもちろんのこと研究責任者も研究遂行上必要となる海外視察を十分に実施する予定である。また、「その他」についても、データ分析に必要となる統計のパッケージソフトSPSSを購入する予定である。「人件費・謝金」についても今年度は、アルバイト等にデータ入力等の依頼をする予定である。
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