2013 Fiscal Year Research-status Report
落ちこぼし学生の早期発見と,学修改善指導支援環境の整備に関する研究
Project/Area Number |
24501213
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
小林 浩 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (00349804)
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Keywords | 教育工学 / 学修改善指導 / 落ちこぼし学生 / e-learning |
Research Abstract |
本研究は,次の学修改善指導サイクルの構築を目指している.(1) 授業ごとに実施するテストやレポートなどの学修データを,学習支援システム(既開発済み)を介して自動的に収集する.(2) 収集した学修データから,学修分析エンジンにて学生ごとの単位落とし率を推定し,落ちこぼし候補学生を要因別にリストアップする.(3) 学修改善指導支援環境を介して,推定単位落とし率や落ちこぼし要因別に当該学生へ担当教員が学修改善指導を行う. 上記サイクルを構築するために,平成25年度は,平成24 年度に引き続き,学修分析エンジンと学修改善指導支援環境の研究試作を行い,実授業で試験運用することにより,評価改良することを目標とした. 平成25年度の研究成果としては,学修分析エンジンについては教員とのインタフェースの試作をAppletベースで行い機能整理を行うとともに,研究代表者が試作した学習支援システムe2-ELMとのインタフェースをR言語ベースで試作した.また,研究試作した学修改善指導支援環境を介して,研究代表者の担当授業科目で励ましメールの送信を行い,学期末にアンケートを実施し,有効性を評価した.その結果,メール記載の単位取得率が学生の認識に対して低いほど,学生たちはより勉強に励もうと思うようになることがわかった.しかしながら,実際の学修改善行動に結びついたかまでは確認できなかった.さらに,推定単位落とし率の精度評価を行ったところ,最大20%程度低めに推定していることが判明した. 上記成果は日本教育工学会研究会にて発表し,参加教員から,「学生が多いと出席率や学力不足な学生がわかるだけでも役に立つ.」や,「成績の悪い学生には励ましメールを送るだけでは学力向上を図ることはできないのではないか.学修データをもとに学生への個別指導を行うなどの施策が必要ではないか.」などの意見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は,平成24 年度に引き続き,学修分析エンジンと学修改善指導支援環境の研究試作を行い,実授業で試験運用することにより,評価改良を行うことが目標であった. 学修分析エンジンについては教員とのインタフェースの試作をAppletベースで行い,機能整理を行った.現在,AppletベースからWebベースに変更するとともに,追加機能を実装中である.また,研究代表者が試作した学習支援システムe2-ELMとのインタフェースをR言語ベースで試作したが,できるだけ教員の負担を軽減できるよう,改良中である. 学修改善指導教員支援環境の研究試作については,2回の励ましメールの送信による評価実験を通して,メール記載の単位取得率が学生の認識に対して低いほど,学生たちはより勉強に励もうと思うようになることが確認された.また,推定単位落とし率の精度評価を行ったところ,最大20%程度低めに推定していることが判明した. 以上より,おおよそ目標は達成されているが,やや遅れ気味であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
<学修分析エンジンと学修改善指導教員支援環境の研究試作> 平成25年度に引き続き,実授業での試験運用を通して評価改良を行うとともに,多様化する学生たちをよりきめ細かく分析できるよう学修履歴のパターン分析を導入するなど,教員支援環境の高度化を進める.とりわけ,研究代表者が試作した学習支援システムe2-ELM や教員などとのインタフェース部分の試作については遅れが生じているため,早急に取り組み,評価する予定である. <落ちこぼし学生の早期発見手法の確立と学修改善指導ノウハウの蓄積> 早期発見手法の確立とその検証,学修改善指導ノウハウの蓄積を行うとともに,学修パターンの類似度分析による早期発見精度の向上,ノウハウの共用化を目指して事例ベース推論の導入を行う. 以上により得られた結果をまとめ,成果の発表を行う.さらに,後半の汎用化改良フェーズへ向けて,他授業科目への適用と学修改善指導ノウハウの共有化の準備を進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学修分析エンジンのインタフェースに関する研究試作が遅れていたため,次年度に繰り越す研究費が発生した. 今年度の研究費は,研究試作におけるプログラム開発や学修データの分析にあたる研究補助者と,研究実施に当たる研究協力者の人件費が主な使用目的で,その他論文投稿などに充てる予定である.
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Research Products
(1 results)