2012 Fiscal Year Research-status Report
心理尺度を取り入れたモチベーション向上のための教室空間の研究
Project/Area Number |
24501214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
土肥 紳一 東京電機大学, 情報環境学部, 准教授 (00227703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 治 東京電機大学, 情報環境学部, 准教授 (30316632)
今野 紀子 東京電機大学, 情報環境学部, 准教授 (40349808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モチベーション / プログラミング入門教育 / 授業評価 / 教室環境 / 教育工学 / 工学教育 / FD / SIEM |
Research Abstract |
本研究は,教室空間内の受講者,教員,教材提示装置の配置に,教室内の照明の色や香り等の刺激を加えることによって,受講者のモチベーションの向上を目指す研究である.香り発生装置は電池式のポータブルな装置を入手することによって,測定の準備をスムーズに行えるように配慮した.LEDによる照明機器は,発色数を細かく調整でき,十分な照度を確保できる機器を入手した.なお香りと照明の刺激を同時に実験すると,どちらの影響が出ているのかが曖昧になるため,今年度は香りを優先して測定を行った.教室内の気温,湿度,二酸化炭素濃度を測定するための機器を入手し,教室環境の測定を実施した. プログラミング入門の授業を対象に,SIEMを実践しながら受講者の理解度・学習意欲を継続的に測定を行った.提案された授業改善策に基づき,授業内容と授業方法のアレンジを行い,授業へのフィードバックを行った.これらの試みがプログラミング入門教育において有効であることを示しながら,学協会の講演発表等を通じ,他の教員への利用拡大を図った.さらに本研究に必要な,サーバ等の研究環境を整えた. 授業毎の理解度データおよび学習意欲データは,ブラウザにて迅速にデータ収集できるシステムを機能強化し,集計結果は視覚的に理解しやすい表示方法を工夫した.授業評価のためのデータ収集システムの維持管理,収集したデータの分析システムの開発を行った. 香りやが学習意欲に与える影響について総合的に分析し,心理学的な側面から学習意欲を高めるための教室空間について分析した.本研究は,認知心理学の専門的な知識が必要であり,開発システム全般に渡って横断的な助言が必要となり,共同研究者から助言を得た.授業改善案の提示の自動化を目指し,知識ベースとなる情報の蓄積を行うと共に,エゴグラムを活用したデータ分析,パス図による分析,CS分析等を取り入れ,その構造の可視化に努めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
香り発生装置は電池式のポータブルな機器を選定することができ,実験の準備をスムーズに行えるようになった.LED照明機器は,発色数を細かく調整でき,かつ十分な照度を得られる機器の選定に時間を要したが,本研究を推進するために必要な機能と照度を持った機器を購入できた.LED照明機器の購入に時間を要したことを踏まえ,平成24年度は香りの影響を優先して測定を行うことによって,研究全体の進行を調整した.平成25年度は照明の影響を優先して測定することにより,研究内容を十分に達成できる予定である.研究全体としておおむね順調に進行していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に収集した香りのデータから,モチベーション分布との関係を考察し,モチベーションを向上できる組み合わせを求め,試行する.さらに照明の色がモチベーションに与える影響を測定し,これらの情報や教室形状とモチベーション分布の関係,教員とモチベーション分布の関係等をデータベース化する.教室の形状,学生および教員の配置を検討する上で,学生のモチベーションを向上できる最適な教室のモデルを提案する.本研究によって,教育目的に応じた最適な教室空間作りを実現できるようになり,学生のモチベーションの向上が,教育効果の向上につながることを示す.今後新設される学校等の教室作りに寄与できると共に,移動可能な机と椅子を導入することによって,授業毎に教室内のレイアウトを変更可能な,従来の常識を覆す理想の教育空間を実現する. 本研究によって,教室内の温度,湿度,二酸化炭素濃度の測定を行っている.教室内の温度上昇の影響は,受講者の学習意欲に大きな影響を与えるが,二酸化炭素濃度の影響が無視できない状況であることも明らかになってきた.香り,照明の色,二酸化炭素濃度等の状況を加味しながら,本研究を進める方策である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アロマオイルの補充に使用する計画である.
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