2012 Fiscal Year Research-status Report
ポートフォリオを用いた意欲向上度とコストを最適化するプログラミング指導環境
Project/Area Number |
24501224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
島川 博光 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (70351327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 史子 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (30454515)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プログラミング教育 |
Research Abstract |
本研究では,プログラミング教育において,各学習者の試行錯誤の過程や学習上のふるまいを計算機が記録したポートフォリオから行き詰まりの原因や目的意識を検知し,個人ごとに最適な動機づけ方法で指導する方法を提供する.その中でも,本年度は,試行錯誤の過程より行き詰まりの原因を検知することと,学習上のふるまいをマイニングし目的意識に応じて学習者を動機づける指導法を抽出する研究を実施した. 行き詰まりの原因を検知する手法として,線描画のための関数を使って,学習者の試行錯誤の過程をマイニングしたところ,関数呼び出し履歴に多くの者が陥るパターンが複数個現れた.この履歴のパターンと,学習者の間違え方とその原因を関係づける手法を提案した.パターンに一致した間違いをしている学生は,共通した理解上の弱点があることを実授業のデータから明らかにした.あらかじめパターンを抽出しておけば,パターンに一致した関数呼び出し履歴を持つ学生の理解上の弱点を指導者に示すことができる. 目的意識に応じて学習者を動機づける指導法を抽出するために,目的意識に応じたWebサービスを実現するライブラリを構築し,演習コースをこれらのWebサービスの組合せで実現した.また,目的意識抽出のためContextual Inquiry法を用い学習者がプログラミングに意欲をもつ場合をインタビューし,その結果を分析した.インタビュー結果から,3種類の学習者の目的意識を抽出でき,その結果に基づいて,Webサービスを組合せたところ,それぞれの学習者の,学習時間を大幅に拡大でき,ソースコードの評価の平均点が高まった.また,指導者の労力を抑えることができた.これにより,学習者を効率的に動機づけることに成功したと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究により,申請書に挙げた計画のうち,24年度に計画していた,思考錯誤過程の分析,目的意識に応じた指導法,実授業での事件の,ほぼすべての項目を達成できたと考えている.ただ,数式モデル構築法については,アイデアの抽出はできてものの,その実証までは至っていない.これらの結果より,80%程度の達成度が得られていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,申請書に掲げた計画に基づき,粛々と研究を進める.25年度は,とくに数式モデルの構築法について,24年度に考えだした「非負値行列分解」の手法に照らして,ポートフォリオを表現した行列を,学生を目的意識で括ったグループとそのグループの学習上のふるまいの特性を表す行列と,各学生が上述のグループに属している度合いを示す行列の積で表せることを実証する. このために,学生の目的意識を特徴付けるふるまいがどのようなものであるかを,学生のポートフォリオと,その学生に対するインタビュー結果を照合しながら,学生を目的意識で括ったグループを同定する. さらに,非負値行列分解以外の方法で,学生の理解度を客観的に表現でき,かつ,グルーピングできる方法を考案する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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