2012 Fiscal Year Research-status Report
eラーニングによる薬学部学生のフィジカルアセスメント連携型PBL方略の補完
Project/Area Number |
24501228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
江川 孝 就実大学, 薬学部, 准教授 (70369023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味田 裕 就実大学, 薬学部, 教授 (00088709)
島田 憲一 就実大学, 薬学部, 講師 (00509268)
高見 陽一郎 就実大学, 薬学部, 助教 (10500473)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 薬学 / 臨床 / 情報システム / 情報工学 |
Research Abstract |
申請者は、医療コミュニケーション演習の補完を目的として対話型シミュレーターを演習に導入し、その学習効果を確認した(江川ら, 医療薬学, 2010)。本研究は、薬学部教育における高度な薬学的知識と技術の習得に加え、薬剤師としての人格涵養を図り、チーム医療推進のための全人的医療を志向する薬剤師の育成をe-learningによって強化するものである。計画している具体的な研究項目は、①PBL型シミュレーション演習におけるe-learningコンテンツ開発、②ヒト型シミュレーターを用いたバイタルサインの再現プログラムとの連携、③フィジカルアセスメント技能習得のe-learningによる補完、④モバイル型e-learningへの展開、の4つである。 これまでの研究成果をもとに、本研究はe-learningとシミュレーション教育を融合させる基礎的研究を完成し、e-learningを利用したフィジカルアセスメント技能の習得に展開するための基盤となる研究を行う。研究期間内には以下のことを明らかにする。1)医薬品による副反応の経時的な発現過程や患者背景・基礎疾患を調査する。2)PBL型シミュレーション演習のために患者背景を設定して医薬品の副反応によるバイタルサインの変化を再現した医療シナリオおよびe-learningコンテンツを作成して検証する。3)ヒト型シミュレーターを用いて医薬品の副反応によるバイタルサインの経時的変化を再現するプログラムを構築し、e-learningとの連携を図る。4)血圧測定や聴診などのフィジカルアセスメント技能の習得をe-learningによって補完する教育システムを開発する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、医療シミュレーターを用いて精神疾患領域のシナリオを作成してPBL型演習を行った。 a.症例シナリオに連動した医療シミュレーターのプログラミング 経時的に出現する医薬品の有害事象をバイタルサインとして再現できる医療用シミュレーターのシナリオを作成する。本申請者は、POS能力開発PBL演習にて疾病の重篤度に応じたロールプレイのシナリオを作成した(山内、江川ら, 医療薬学, 2004)。当該年度では、臓器別の疾病や医薬品の副反応発現について症例シナリオを作成する。作成したシナリオは、医療用シミュレーターのプログラムと連携させ、心電図や脈拍といったバイタルサインの変化が、症例シナリオの疾病や医薬品の服用時期に連動して経時的に変化するものとして構成した。 b.シミュレーター演習補完のためのe-learning用コンテンツ 平成24年度では、学習者に疾病や医薬品に関する情報を提供するために、音声や動画を活用したe-learning用コンテンツを作成する予定であったが、作成の機器の購入がアドバンスト科目の演習時期に間に合わなかったため、テストトライアルを行うにとどまった。学習者に動画によるフィードバックを行うためのe-learning用コンテンツの作成は次年度の課題となる。しかし、当該年度に実施したPBL型演習は、研究成果の報告を行った(第22回日本医療薬学会、新潟)。さらに、本研究で用いているLearning Management System(LMS) を薬学海外研修にも展開してその研究成果を学会にて報告した(日本薬学会第133年会、横浜)。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.平成24年度課題を同様に継続 平成24年度課題を同様に継続するが、薬学的問題点を擬似的に再現したコンテンツを検証してデータベース化を行う予定である。データベースは、新規の類似シナリオ作成に応用して症例シナリオ数の充足を行う。また、PBL型演習の工程は、学習者のCS分析の結果をもって演習工程やe-learningコンテンツの見直しを図る。とくに、学習者に疾病や医薬品に関する情報や演習のフィードバックを提供するために、音声や動画を活用したe-learning用コンテンツを充実させる。 2.学習者の到達度測定 本研究における学習者の到達度測定は、PBL型シミュレーション演習において学習者の自己評価、観察者の評価、教員もしくは模擬患者の評価を表情スケールによって定量化することを計画している。また、定量化された評価と学習者の満足度との相関を分析する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究のPBL型演習の工程では、臓器別の疾病や医薬品の副反応発現について症例シナリオを作成する。作成したシナリオは、医療用シミュレーターのプログラムと連携させ、心電図や脈拍といったバイタルサインの変化が、症例シナリオの疾病や医薬品の服用時期に連動して経時的に変化するものとして構成する必要があるためシナリオに応じた部分タスクシミュレーターを購入する予定である。また、学習者に疾病や医薬品に関する情報や演習のフィードバックを提供するために、音声や動画を活用したe-learning用コンテンツを充実させるためにPF-NOTE V2のクリッカーを追加購入する。さらに、研究成果を国内外で報告するために研究成果報告のための旅費として支出する。
|
Research Products
(5 results)